NHKの籾井会長が社外取締役を務めたグローバルアジアホールディングスの事件史(前)
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警視庁は3月8日、元ジャスダック上場の飲食店運営会社グローバルアジアホールディングス(株)(東京都港区)元社長の菊地博紀、会社役員菊池徹両容疑者を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕した。上場を維持するために、10億円の資産を水増しした疑いである。
同社は、豊国産業(株)→(株)アイビーダイワ→(株)プリンシバル・コーポレーション→グローバルアジアホールディングス(株)と次々と社名を変えてきた、“いわくつき”の会社だ。NHKの籾井会長はアイビーダイワの社外取締役
NHKの籾井勝人会長は、こんな怪しげな会社に関わっていた。
籾井氏が2006年から1年間、社外取締役を務めたグローバルアジアホールディングス(旧アイビーダイワ)は、15年3月18日に粉飾決算の疑いで、金融庁の証券取引等監視委員会と警視庁組織犯罪対策3課の強制捜査を受けた。
粉飾決算事件は刑事部捜査2課が中心になるが、この捜査の主体は組織犯罪対策3課。暴力団捜査の専門部署だ。警察は、グローバル社が指定暴力団の中核組織とつながっているとみている。警察の捜査の矛先は、粉飾決算ではなく、暴力団への資金の流れに向けられた。問題となっているのは、籾井会長がアイビーダイワの社外取締役を務めていたときに、234億円もの巨額損失を計上していたことだ。
民主党の後藤祐一議員が3月30日の衆院予算委員で、この問題を追求した。
籾井会長は巨額損失について、「(アイビーダイワは)井戸を掘って石油やガスを見つける仕事をしていたが、井戸2本をあきらめることになり、全額損失を計上した。過去からの積み重ねも一気に償却した」と説明した。籾井氏は三井物産(株)副社長から05年に日本ユニシス(株)社長に転じた。14年からNHK会長に就いた。アイビーダイワの社長が三井物産の同期だったつながりから、社外取締役を引き受けたという。
アイビーダイワのような会社は「ハコ企業」と呼ばれた。上場企業という「ハコ」だけが残り、社名や業務内容、経営陣、株主が次々と変わる。マネーゲームの道具に使われ、暴力団など反社会勢力の資金源になっている。NHKの籾井会長は、そんな怪しい会社の社外取締役を務めていた。脇が甘いと言わざるを得ない。(つづく)
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