怪物ソフトバンク・孫正義氏、またまた吃驚仰天声明(後)~新たな躍進のスタート
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またまた孫番記者たちのピンと外れの論評
孫様に飯の種を頂いている番記者100名余が相変わらずピンと外れの批判論評・懸念情報を垂れ流している。「孫さん!!またまた出番をいただいて感謝しています」と一言、感謝の念を示して「今回こそ危ない橋を渡れないのではありませんか?」と警戒の念を発してやるのが礼儀ではなかろうか!! ただし老婆心ながらという謙虚な態度が必要である。今回のA社買収に関して筆者は「孫氏はあらたな飛躍のチャンスを掴むであろう」というのが、結論である。過去を振り返っても本当に未来にかける勝負にはことごとく勝利している。
あとでB/Sの分析を行うが、連結10兆円に迫るグループ売上の構成比率はソフトバンク3兆1,446億円、スプリント3兆8,716億円、ヤフー6,520億円である。まずソフトバンクの売上の根幹は2004年に英ボーダフォンから日本法人を1.75兆円で買収した通信事業だ。このときも「とんでもないM&A資金を払えるはずがない」と番記者たちは批判した。だが、いまとなってみれば孫正義事業のバックボーンの存在となった。
そして9年後の13年に米スプリントを約1.8兆円で買収した。またまた「アメリカ第3位の負け犬会社を買収して孫氏は損を見る」と番記者たちは茶化したのである。英ボーダフォン買収から9年の間にM&A資金借入返済の目途をつけてのスプリント買収だ。豪放磊落に見える孫氏の詰将棋は慎重かつ緻密である。筆者はボーダフォン買収の経験を踏まえての企業買収であるから「懸念ない」と判断した。最悪の事態=スプリントが赤字垂れ流す事態への対応としても13年当時でもソフトバンクグループは毎期5,000億円の赤字を被る財務力は有しているとみた。
もちろん、孫氏の今日があるのは米ヤフーと遭遇してジャパンヤフー(ヤフー)を設立させる先見性があったからだ(現在、米ヤフーのほうは業績が悪く日本のヤフーが子会社化するような勢いである。コンビストアーでいえば本家アメリカのセブンイレブンを日本が傘下に置いた実例のようだ。この米ヤフーの支援を巡る対立からアローラ氏の首を切ったといわれる)。番記者たちにはこの孫氏の過去の実績から今後を読む能力が無いようだ。
番記者たちの批判根拠をまとめるとまず一番が財務力の問題だ。「16年3月期で年商を上回る12兆円の借入過多を背負ってやっていけるのか?」という突きつけだ。筆者に言わせれば「全く財務表を読めない者たちよ」となる(あとで解説する)。あと二番手、三番手に来る批判を紹介すると「アメリカ、日本、中国、インド、英国と戦線を拡大させて果たしてマネージメントできるのか」、「本業との関連付けが明確でない」等々である。どんな懸念材料があろうとも財務力させしっかりしておれば解決できる。
A社3.35兆円買収資金は年末5兆円になる
15年16年3月期2期のバランシートを添付している。これを参照しながら話を進めていこう。まず特筆すべきは2期の税引き前利益は1兆円を叩きだしている。日本の企業でも1兆円の利益を計上しているのは稀少だ。例えば前記したスプリントは最悪状態を脱しつあると聞く。仮に1兆円の赤字をだしてもソフトバンクグループが総力をあげれば1兆円を被る体力はあるのだ。スプリントの業績悪化でグループがぐらつくことはもうない。
借入過多の問題であるが、確かに16年3月期ですべての借入総額は12兆円を下らない。ソフトバンクの信用力からみてこの借入金利は1%を超えることはない。金利総額は1,200億円に留まる。金利払ったあとの税引き前利益は1兆円を叩きだしているのだ。借入過多を問題にするのでなく金利総額が幾らなのか、対売上金利負担率が幾らかを点検する必要がある。一概に借入過多云々で論評するのは素人の企業評価手法に過ぎない。
そして孫氏の投資経営という特性を理解することが肝心である。確かに12兆円の借入があるが、対比の資産を検証していただきたい。簿価をはるかに超える含み資産を所有しているということだ。アリババの持ち株の一部を売却して1兆円を超える資金を捻出した。簿価は最大100億円程度と目される。だから持分法で会社処理されている投資1兆5,883億円の含み資産は莫大な金額に化ける可能性がある。まだアリババの株は残っているのだから5兆円の時価評価できるかもしれない。
まだまだ楽しみが残っているのだ。第2、第3のアリババになるかもしれない銘柄を有していることである。インドの新興企業に100億円以内の株投資をしている。インド経済がこの調子で成長持続していくと手持ちしているインド株が100倍に化けることもあり得るということだ。アリババの1/10程度の儲け貢献する確率は充分に高い。孫氏の目利きは短期でない。最低5年先を狙っている。
A社の買収資金の捻出に関して前号で指摘した通り売却したガンホーの株が入金されてくる。そうなると買収金は自前調達となる。試算表においてA社の買収金3兆3,500億円は投資3兆3,500億円と計上される。A社の業績の勢いからみると12月年末には5兆円の値がつくであろう。半年で1兆6,500億円の含み益を得ることになる。半期の事業で1兆6,500億儲けるなんて日本ではトヨタぐらいしかいないだろう。投資という意味を知らないと本質を掴めない。
孫氏が「将来の事業の可能性を買いました」という意味は二重の意味がある。一つは通常のM$Aと同じように事業を買うことが目的、二つ目は買った株の評価が急騰することを狙った投資という目的というものだ。番記者たちもこいう二面性を見抜いて論評してもらいたいものである。
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(了)
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