筑紫女学園新理事長(?)長谷川裕一氏解任の勧め(4)~上場の先に構想なし
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仏壇事業の未来に展望なし
福岡証券取引所上場では満足しないのは長谷川氏の性分です。1994年11月、大阪証券取引所二部に上場。さらに2013年には東京証券取引所一部に上場しました。しかし、本業の仏壇事業の未来は暗いですね。過去の業績・売上推移を掲載していますが、売上がピークの260億円台にたどりついてから衰退の道をたどっています。一時的に売上200億円台の回復があったのは1997年、墓石事業に本格的進出したことが功を奏したからです。ですが、本業の仏壇販売は苦戦を余儀なくされてきました。
苦戦を余儀なくされている最大の原因は、日本人が信仰心をなくしたからでしょう。まずはどこのお寺さんも檀家制度の崩壊で収入を確保するのに四苦八苦の状態にあります。唯一の活路は納骨堂分譲で収入を得ることです。田舎のお寺さんほど懐事情は苦しいでしょう。都会に子どもたちが出てそれなりの年齢になっても故郷へ戻ってきません。先祖の墓、納骨堂を都市部に移らせるのが、主流になっています。長年、続いた檀家制度は崩れ法事回数も極減する始末になりました。
私ども夫婦は、それぞれの実家とも先祖供養を大切にしてきました。宗教心は篤い家族であると思います。それぞれの実家のお墓に年2回、墓参りに帰って参りました。兄弟たちも几帳面に墓参りを繰り返してきたのです。しかし、自分たちの冥土行きが近づく番になりました。「子どもたちは墓を守ることはなかろう」と諦めの心境になっています。「もう墓はどうでもいい」という投げやりの気持ちになります。私の、また妻の兄弟たちはすべて中産階級の老後生活を送っていますので、墓の1つくらい購入できる経済力はあるのです。しかし、子どもたちの墓守は不能と判断して至らぬ買い物はしません。
筑紫女学園の関係者の皆さん!!残念ながら日本人の大半は無宗教者に成り下がりました。宗教面でいえば日本人は世界で一番、宗教心を失った民族ではないでしょうか!!
話が多少、脱線しました。日本人が家族供養・先祖敬いの気持ちが薄れて墓参りも蔑ろになる風潮が強まったということは仏壇管理も蔑ろにするということです。最近、亡くなった知人の初盆参りを行います。驚くばかりです。どの家でもちゃちな仏壇が備えられてあります。ある友人は未亡人にたしか1.2億円の保険金を残したと記憶していますが、30万円足らずの仏壇しかありませんでした。これには驚き、思わず、「おーい、これで満足しているのか」と故人に呼びかけたくらいです。
マンション住まいならば尚更です。仏壇を設置できる空間があまりにもなさすぎます。前述した価格帯30万円程度が主流でしょう。そういう私も住まいは戸建てで、仏壇置き場所はあるのですが、座布団置き場所になっています。ただし、私が先に逝けば妻は少なくとも100万円くらいの仏壇を買って祭ってくれるでしょう。たしかに創価学会とかそれぞれの宗派の熱心な信者の方々は高価な仏壇を買い求められます。ですが仏壇販売は万民相手の商売です。大衆が仏壇に金を落としてくれなければ市場は先細りになるだけであります。1988年に上場を果たしたものの業界の先行きは暗かったのです。
ピント外れの多角化事業
長谷川氏の特技は突撃力であると再三にわたって触れました。それ以外に取り柄がありません。普通、「上場を起点にして次の展開をどうやるか!!」を検討し、準備をします。ましてや1988年に上場した際も仏壇売りの将来は暗かったのです。だからこそ万端の備えが必要でした。上場すれば必ず創業者のキャピタルゲインを握ります。だから、握ったことのない大枚を手にすれば舞い上がる気持ちは理解できますが――。結果、残念ながらその大枚を有効投資できませんでした。
福岡でも全国でも上場をはたし、それから勢いをなくすケースが目立ちます。その経営者の目的が、上場することだけがすべてであるからです。最近の例で言えば、住宅のタマホームがこの法則に当てはまりました。12年5月期連結売上1,696億円がピークで2013年3月に上場を果たしたものの、16年5月期には1,384億円に下がったのです。312億円の減収で赤字決算が続いています。上場することに全精力を投入するので疲労困憊に陥り、業績が悪化するのです。
さー、書き出せばキリがありません。駒を進めましょう。平成(1991年~)に入ってからの長谷川氏の行き当たりばったりの多角化事業を紹介していきます。90(平成2年)ホームセンターのカインズとフランチャイズ契約を締結して群馬、埼玉で2店舗を経営。ホームセンターを子会社化しましたが、この事業は見事に失敗しました。
94年12月に、ボウリング場を核とした総合アミューズメント企業の(株)フォーチュンを設立して、福岡・北九州など5カ所でボウリング場を経営しました。この事業は中国にも持ち込ました(中国では福州・天津で2つの現地法人を設立)。当時、またまた「ボウリングブームの再来か?」と期待されましたが、あえ無くブームは萎んだのです。これまた失敗でありました。
続いて海外投資に拍車がかかります。95年5月にベトナムでオフィスビルの賃貸事業を行う会社を設立しました。96年にはミャンマーでサービスアパートへの投資を行うことを決断したのです。中国ビジネスは次号に記載します。この事業投資の例を知れば、誰もが「一体、この多角化経営に戦略性があるのか?」という疑問を持たれるはずです。いやー、長谷川氏の特技=突進力から導かれた必然帰結の多角化戦略でありました。
(つづく)
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