筑紫女学園新理事長(?)長谷川裕一氏解任の勧め(7)~最後の尻拭きできない一例
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情に流される危うさ
長谷川氏は、「滝本社長が『自分で責任を取る』と公言している」のだから、最後まで本人に尻を拭かせれば良かったのです。仮に、別人を社長にするには、新たな資金投入のサポートがないと成立しません。当時の情勢で長谷川氏には、再度のアジアビジネスセンターへの資金投入をする余裕はなかったはずです。仮に同氏に乗せられて社長に就く人がいたとしたら、その人も資金苦労の連続で辛酸を舐めることになったでしょう。それよりも何よりも、多角化の失敗で2期連続赤字を出した長谷川氏の経営責任の方が問題です。
私は、弊社が発行している『情報誌I・B』で、『仏壇・はせがわの多角化経営の失敗』を連載しました。そして、はせがわの株主総会にも出席して、下記のように質問したのです。
「海外投資の失敗が目立つが、いつまでに始末をつけるのか?」というものでした。当時の長谷川社長は神妙な顔をして、「できるだけ早急にメドをつける努力をします」と返事をした次第です。ここに至って本人も、多角化・外国投資の失敗の立て直しが緊急の課題であることを認識したようでした。株主総会の終わったある日、懐かしい大学のA先輩が訪ねてきたのです。名刺を提示したので目をやると、「仏壇・はせがわA部長」となっていました。「はー、長谷川氏の差し金でやって来たか?」と一瞬、疑ってしまったのです。
A氏は大学時代、生協活動のトップとして手腕を発揮していました。卒業後、活動拠点を福岡に移し、ここでもまた組織ポジションとしては九州一に就いた実績があります。生協活動の世界ではA氏は有名な人でありましたが、その時点では定年退職になっていました。その頃の長谷川氏のスカウト手法は、名前のある人を射止めることでした。有名人好みとでも言うのでしょうか。A氏も生協活動の世界では著名な人でしたから、スカウトされたと思います。契約期間が2年かどうかはわかりませんが、“遊軍部長”という肩書を授かったと思います。恐らく、生協組織への仏壇セールス役を期待されたのでしょう。
近況報告が終わり、私から「今日は何か御用事ですか?」と口を開きました。A氏の申し出は、「実ははせがわの記事キャンペーンはまだ続くのか?手打ちはできないか」というもので、予想した通りであったのです。「先輩!!それは長谷川社長の申し出ですか?」と切り返しました。「いやー私の一存です」とA氏は断定したのです。「長谷川氏の件は複雑な絡みもあり、中途半端なことはしません」とハッキリと断りました。この初心を貫けば良かったのです。情に流されたら、碌なことにもなりません。
危うく総会屋に転落へ
A氏の嘆願行為は、粘り強いものがありました。5回にわたるお願い訪問と、たびたびの電話コールがありました。この必死な画策行為の裏側に、何があるのか?「長谷川氏に恩を売って、会社に長く居つくつもりなのか?」「いやこんな卑しい動機で動く人ではない」と、分析・思案に明け暮れたのです。仏壇・はせがわの連載キャンペーンを一通り終わりかけていたので、「とりあえず店仕舞いするか」という気分になりました。そこでA氏に、「とりあえずはせがわキャンペーンを終了します」と通告したのです。
ここで交渉打ち切りをしておくべきでした。A氏が「何か経済条件を提示してください。タダというわけにはいきません」と食い下がるのです。「長谷川社長に、『もうキャンペーンは済みました』と報告してください。それだけで結構です」と、こちらの意志を明確に伝えました。そのときはA氏は黙って席を立ちました。
2~3日経ってからだったでしょうか、同氏が来社しました。「社長からも『タダでは駄目』と言われています。提案書を持って本社で会ってください」との必死の懇願です。そこで提案書を持って、仏壇・はせがわ本社を訪問しました。長谷川社長(当時)、A氏と私との3人で、応接室において30分ほどの世間話も行ったのです。そのなかで、長谷川氏も「海外投資の是正の重要性」を繰り返し唱えていました。長谷川氏に提案書を渡すと、目を通しながら受け取ったのです。そして、総務の誰かを呼んで提案書を渡しました。そこから私は立ち上がり、帰社したのです。
2日後ですか、A氏から血相した顔が想像できるような声で電話がかかりました。「社長の渡した提案書を読んだ弟の専務と総務部長が、『これは大事になる』と騒いでいた」というのです。
整理して言いますと、(1)この要求書を受け実行すると、相手(私)も「総会屋として利益誘導でやられるし、我が社(はせがわ)も「総会屋への利益提供」でやられる。(2)総務部長が顧問弁護士へ相談に行った。(3)そして警察にも報告したというものでした。
A氏は、「警察が動くであろう」と予告します。私の周りからは、「長谷川の陰謀に乗せられた。A氏もグルになっている。甘いぞ!!コダマ」とお叱りを受けたのです。たしかに、一見まともな意見に見受けられます。しかし、本筋は間違っていました。
(1)まずは私が、上場会社への対策に対して無知であったことを反省しなければなりません。(2)後で聞くところによると、長谷川氏も提案書を飲むつもりであったようです。しかし、総務部長たちから「法に触れる」危うさを知らされて、関与することを放置しました。逃げ足だけは速いですね。長谷川氏も無知なのであります。(3)A氏は、後での警察の取り調べの陽動策に、一切乗らなかったそうです。
ですから、長谷川・A氏の策略であれば、まだ緻密に作戦が練られたと思います。A氏に関しては、当時から遡っても34年前からの彼の正義感溢れる生き様を見ていますが、謀略の片棒を担ぐ人物でありません。筑紫女学園の関係者の賢明な皆さん!!もうおわかりでしょう。
私が「総会屋に落とし込まれる策謀を練られた恨み」でこのシリーズを連載しているのではありません。今回のシリーズ第7回目でも、長谷川氏が仕出かしたことを、他人さまからまたまた尻拭いをしてもらった実例をレポートしたに過ぎないのです。皆さま方が賢明な道を選択するための、材料の提供なのであります。(つづく)
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