現代の経営は根幹・根源が問われる~安成工務店・CSV経営に学ぶ(6・終)
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『CSV経営』とは?
安成工務店のミッションは『地域の暮らし、文化を創る。』、サブタイトル『100年後、街のすがたと人の暮らしが豊かさをとりもどせるように』である。この実現化へ奔走していた矢先に、安成社長曰く『社会問題の解決と企業の競争力向上を同時に実現する』というCSV概念に出会って、身震いをしたそうである。安成社長の弁を紹介しよう!!
「CSVという概念に出会ったとき、私たち安成工務店グループが目指している事業とまさに合致している、と思いました。創業から65年、私たちは『美しい自然環境を未来の子どもたちへ引き継ぐための取り組み』『環境資源の仕組み』『豊かで安全な地域づくり』など、願うべき社会を実現するための活動を本業とし、経済的価値を実現してきたからです。
地球温暖化対策では、太陽熱を利用した『OMソーラーシステム』に代表される省エネルギー設備の普及促進。リサイクルでは新聞紙を加工して製品化した『セルロースファイバー断熱材』の製造。自然素材をふんだんに使った『オーガニックエコハウス』は、そこで暮らす方々の健康を守ると同時に、近隣の林業を活性化し、また地域の歴史と文化にマッチした景観づくりにも貢献します(以下省略)」。
「社会問題の解決」と「企業のレベルアップ」を両立する経営の推進は、至難の業である。おそらく、この『CSV REPORT 2016』(安成工務店グループCSVレポート)を経営者各位に披露しても「これ何?」「こんなに理屈を並べて経営は行いたくない」という反応が大半であろう。安成社長自身も「いろいろ付き合いある経営者に見せても、まー10人に1人くらいしか理解してもらえませんな」と語る。世の中の風潮では、そろばん勘定優先の時代、事の本質を把握できる経営者が数少ないのはわかる。
毎年10月に行われる、子どもたちを対象としたイベント『森を守る植林活動』は、のべ8回開催し、参加者数累計76組240名、植樹累計1,940本となっている。また、安成工務店が木材を調達する山林現場への『森を学ぶ森林体験ツアー』も開催回数56回、参加人員数841組3,630人に達する。社会貢献と実業が連動しており、具体的で効率が良い。しかし、継続することは困難を極めるが、同社は平然と敢行できる。
そして、世間にレポートとして堂々と公表させるとは驚きに値する。嘘は提示できない。真に愚直なまでに信義を貫く行動を完遂しているからこそ、できる業である。この『CSV REPORT』を活用したい方は、お問い合せされたし。
(了)
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