2024年11月22日( 金 )

溶けて溶けてどこへ行くの? 我々には覚悟はあるか(1)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

未曽有の人口減

world 不可解な時代になった。専門識者は、現代社会をどう規定するのであろうか!!

 まずは、人間が営みの本能を忘れた。日本の人口は2016年12月1日現在で1億2,692万人。これが20年後の2036年には、1億1,200万人まで減るという。1,492万人の減少であるから、現在の九州の全人口以上の人間が減少することになる。さらに減少速度は加速して、2050年には日本の人口は1億人を割るであろう。

 平時で戦争なく、自然災害や病気の蔓延なくして、人口急減の時代に突入したのだ。人間が、種の保存を忘れたがために為せる業である。無策でいたら、地域社会の崩壊、産業瓦解が顕著になる(地方で銀行経営が存立できない事態も明確になってきた)。

技術開発は人間に幸せを与えるのか!?

 医療技術は、まさしく革命段階である。驚異的な成果のうえに、『人間の平均寿命100歳の時代の到来』はあながち夢ではない。
 だが、「そんなに長生きしてどうするの?」という疑問が強まる。また、「100歳の老人たちの面倒を、国は保証できるのか?」という疑念が高まる。『人間を労働から解放』という大義名分の旗の下に、ITロボット生産が急増するであろう。
 「では、人間はどうやっておまんま賃を稼げるのか?」という不信の念が強くなるのは、明白だ。人類史上、前代未聞の技術開発は、人に幸せを与えるとは言いきれない側面を浮き彫りにした感がある。

グローバリズムは貧富の格差を産んだ その歪へ反撃のうねり、世界津々浦々

 どの時代にもどの国でも、貧富の格差はあった。それぞれのトップには、指導者としての規範、哲学があったものだ。
 ところが、現代の貧富の格差は断じて許されるものではない。たとえばアメリカでは、1%の富裕層の資産総額が残り99%のそれを上回っているそうな。中産階級を自称していた層の底辺への没落で、社会不安が生じている。アメリカ国民は、トランプに期待する選択をした。だが残念ながら、この期待は無残にも破られるであろう。

 狭いヨーロッパでは、過去に2回の悲惨な世界大戦を体験した。そこから「国家を超えたヨーロッパ連邦を樹立」=『EU誕生』という快挙を産んだ。ところが、難民問題が本筋ではないのだが、各国の国民たちは貧困の生活に異議申し立てを強めた。またまた「一国で出直し」という方向が主流になっている。『理念よりも飯の確保=EU離脱』を選択する傾向にある。EUにおいて溶け始めていた国家の復権ということか!!

福島原発事故処理のツケ、国民へ21.5兆円

 安倍首相は、自らの政策失敗のツケを国民に押しつける決定をした。福島原発事故の後始末資金約21.5兆円を、30年間で返済するプロジェクトを決定したのである。その原資は、利用者(=国民)の電気料金からの盗み取りで賄うのだ。電気使用料金から年間7,000億円を盗み取る算段である。誰も原発政策を支持したわけではない。我々が無知であれば、お国からどれだけ搾取されるかわからない。

 グローバリズム社会においては、貧富の格差が必然の流れであれば、政府に抗議する道もある。しかし企業経営する者としては、利益をたくさん出して、社員たちの給料を増やすことが最大の使命だ。やはり今どきの生活費稼ぎの水準は、年収600万円あると多少の気分的な余裕が持てる。社内では年収600万円を保てる社員をどう増やすのかが、経営者としての第一級の役割であろう。企業で稼げる環境整備の場を提供しないと、生活防衛は不可能になる。

(つづく)

 
(2)

関連記事