2024年11月05日( 火 )

溶けて溶けてどこへ行くの? 我々には覚悟はあるか(5)~地元企業ならではの取り組みで、積極的な街づくり・開発への参加を(後)

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(一社)九州住宅産業協会 理事長 諸藤 敏一 氏

 福岡県を中心とした九州地方の住宅供給およびその関連事業の企業により、国・地方公共団体の住宅・宅地政策に協力すること。さらに宅地の円滑な需給を図るため、宅地政策を促進し、宅地造成および住宅建設等に関する事業の健全な発展を図り、社会福祉の増進に寄与することを目的とする(一社)九州住宅産業協会(以下、九住協)。諸藤敏一理事長は、同協会での福岡・九州の地域の街づくり・開発へ積極的に参画することを常に提言している。その提言をより具現化するための施策など、今後の同協会の方向性をインタビューした。

地元活性化には地場企業の活躍を

 ──2010年4月に諸藤理事長が就任されて以来、福岡・九州地方が活気づくための街づくりへの提言を常に行っておられます。そして、九州大学六本松キャンパス跡地の再開発へ、いち早く手を挙げられました。残念ながらその意志は実現しませんでしたが、九住協が一丸となって地元の街づくりや再開発を行っていく機運が高まったのではないでしょうか。

 諸藤理事長 当協会の会員は、現在147社を数えております。 会員の職種は、分譲マンション、戸建、不動産売買、建築設計、建設業、建築内装・設備、エネルギーなどで、住宅産業にかかわる多種多様な企業のメンバーで構成しております。会員企業のそれぞれの特色や持ち味、英知を結集して、地元の街づくりに挑んでいくことが我々の使命です。以前より表明している通り、経済の地産地消によって地域経済を活性化させて、地元が元気になることが大切なのです。

 好立地・好条件の環境にある地区の街づくりや再開発に関しては、今も大手資本の企業が優位に立っております。地元経済発展のためには、地場企業がどんどん参入できる市場環境を整えることが必要です。地場企業が発展すれば、地元の方々に還元できます。

 街づくりや再開発は、地元の官民が一体となって取り組んでいくことが大切なのです。地場デベロッパー、ゼネコンそして専門工事会社、自治体、不動産関連、金融機関などさまざまな分野の企業が、一丸となって地元の街づくりに取り組むことが、地場経済の繁栄、地元の方々の幸せに直結することだと改めて表明します。

次のフロンティア、箱崎再開発

 ──福岡市においては、東区の九州大学箱崎キャンパスを含む箱崎地区の再開発を、ぜひとも九住協の力を結集して実現させてほしいです。

(2015年6月撮影)

九州大学箱崎キャンパス(2015年6月撮影)

 諸藤理事長 箱崎地区は、国道3号線や都市高速道路など幹線道路が通り、JRと西鉄そして福岡市営地下鉄と鉄道網が充実し、市内有数の素晴らしいロケーションです。これまでは九州大学の箱崎キャンパスによって、地域が発展を遂げて活気を生み出し、福岡市の地域活性化に大きな貢献をしてきました。その貴重な資産を、次世代の人々に受け継いでいくために、前述した通り自治体とともに福岡の企業体が連携して、再開発に取り組んでいくことがベストです。

 箱崎地区の再開発は、当協会が手がけることで、地元の企業が大型プロジェクトを遂行できることを実証したい。その準備は、粛々と進めております。必ず実現したいです。

 ──実現するには九住協の会員企業が、より進化・発展していくことが必要ですね。

 諸藤理事長 そうです。九住協会員企業の全社が、元気に、活力を持って社業に励んでいただくことです。また、エンドユーザーの皆さまから「九住協の会員に依頼して良かった」と満足していただけるような団体として、さらに会員企業の進化・発展とともに会員企業のメリットにつながる施策、そして当協会のグレードアップのための重点課題として取り組んでいく所存です。より一層謙虚に企業としての能力を向上するために、ともに学び続け研鑽していきたいです。

 2017年はこれらの点において強化し、もっと地元の街づくりや再開発に対して積極的にアプローチしていきます。

 ──地元の住宅業界のリーダーとして、その手腕をさらに発揮されて地域活性化に尽力されることを心より祈っております。本日は、ありがとうございました。

 諸藤理事長 ありがとうございます。

(了)

<プロフィール>
morohuji_pr諸藤 敏一(もろふじ・としかず)
1955年6月、福岡市生まれ。九州共立大学経済学部卒業。(株)すまい取締役を経て、92年9月(株)コーセー(現・(株)コーセーアールイー)を設立。2010年4月に(一社)九州住宅建設産業協会の理事長に就任した。趣味は、ゴルフとマリンスポーツ。

 
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