溶けて溶けてどこへ行くの? 我々には覚悟はあるか(9)~巨星堕ちる・ソロン田原学氏(10)
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民事再生法申請の勧め
(株)ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ
まだ抹消されていない田原学氏
福岡に隣接し立地条件に恵まれるゴルフ場「ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ」。その運営を手がける(株)ザ・クイーンズヒルゴルフクラブは、2回目の預託保証金返還が迫るなか、「永久債化」を提示した経緯を持つことは既報した通り。さらに今回、驚くべきことが判明した。今年3月でオーナーであった田原学氏が死去して3カ月半過ぎている。ところが下掲の通り故人がまだ代表取締役に残っているのである。
普通ならば故人になれば抹消登記するのは当然のことであるのだが、株を相続する一族の間で話し合いがついていないのであろう。一族は会社の負の遺産を継ぐことに躊躇(ちゅうちょ)しているのか!!代表取締役社長・横田俊介氏は全くの赤の他人でありながら一所懸命に日常業務には専念しているが、核心の経営根幹には干渉する権限がない。言うなればこのゴルフ場は無政府状態と言えるのである。となればいっそのこと、民事再生法を申請して新しいオーナーのもとで再建した方がすっきりするのではないか!!
良好な交通アクセスと有名ゴルファーのコース監修
ザ・クイーンズヒルゴルフクラブは、西九州自動車道の前原ICから南へ0.6㎞の位置にある。福岡都市高速を利用すれば福岡ICや太宰府ICからはともに約35分、天神ICから約25分と、福岡市近郊のゴルフ場のなかでは、好立地のゴルフ場といえよう。
そのうえ、コースの監修には日本の女子選手で初めて本格的にアメリカLPGAツアーに参戦した岡本綾子氏を迎えており、難易度の高いコースとしてゴルフプレイヤーたちに認知されている。腕の良いアマチィアプレーヤーからも「クイーンズヒルズは歯ごたえがある」と絶賛されるほどの名コースだ。だからこそ早く経営再建のメドをつけることをお奨めしているのである。
借金がなければ経営は成り立つ
バブル崩壊後、ゴルフ業界全体が低迷した。92年度には4,268億円だった市場規模だが、その後は急落し、2014年度には2,585億円と約40%も下落している。ゴルフ参加人口もこの22年間で1,480万人から775万人まで減少するなど、歯止めがかからない状況にあるのだ。近年、ゴルフ場の破綻のニュースが多く聞かれることからも、ゴルフ場を取り巻く環境が悪化していることがうかがえる。
オーナーであった故・田原学氏が同社を設立した90年12月ごろは、まだバブルの真っただ中。その後は前述のように厳しい市況にさらされ、同社も経営難に陥った。このため、1回目のゴルフ預託金の返還の期限が到来した際には、田原学氏以下社員たちが頭を下げて会員に切り換えのお願いをして回った。
しかし、再度の期限を迎えた10年後の12年には、「預託保証金の返還時期は同社の解散時」として、一方的に永久債化を会員に通達している。開き直りの姿勢である。この件について担当者は「現在はほとんどの会員さんから了承を得ています」と語るが、どう考えても会員にとって納得がいくものではない。しかも、当時には約22億円の借入金があるとしており、その後の返済が進んでいるとは到底思えない。
創業者・田原学氏をさらし者にするのはもうよそう。ここでいう借金とは大半は会員権である。民事再生法を早急に申請して立て直すことを再度、勧告する。
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