別次元企業への挑戦~西武ハウス(1)
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時代の風を捉え、別次元企業の玄関口に立つ
照栄建設(株)(本社:福岡市南区、冨永一幹代表)でもレポートした通りに、地元の企業の中にはこの『アベノミクスの風』を有効に活用して、従来の域を超えた別次元企業へ変貌する実例が増えている。この『別次元企業への挑戦』は今後、シリーズとしてレポートしていく。その別次元企業の玄関口に立っているのが西武ハウス(株)である。それでは同社の歴史を検証してみよう。
別次元企業とは
別次元企業と呼べるクラスは、上場企業では珍しくない。(1)まずは潰れない市場制覇力・技術力・資金力を持った企業のことを指す。(2)経営に支障が出ても影響力が大きく、潰そうにも潰せずにM&A対象として食指を動かされる魅力を持っている企業も含まれる。しかし別次元の企業であっても、業種においては一夜で様変わりする危険性を孕んでいる。
たとえば住宅トップの積水ハウスは、国内の景気動向がどうであれ絶対潰れない岩盤体質を有している。懸念するとすれば海外投資であろうが、本体を揺るがすような馬鹿な投資はしないであろう。自動車メーカー・トヨタの将来は誰でも予測できる。「もし電気自動車開発戦線で乗り遅れたならば世界トップの座から引き落とされるかもしれない」と危惧されるのだ。だが強靭な財務力を有しているから、潰れることはない。
別次元企業の典型は孫正義氏が君臨するソフトバンクグループである。孫氏は経営者というよりも投資家であると筆者はみる。孫氏は1980年に企業を起して37年になる。借入は10兆円に迫るが、莫大な含み益を持ち、グループの年商は10兆円を突破している。10月4日15:50の証券取引所締め段階での時価総額は1位トヨタが22兆円、2位NTTが10兆8,800億円、3位にソフトバンクが位置して10兆1,700億円である。この孫氏が別次元の経営者として究極の手本だ。
地元非上場企業にも別次元企業続出
上場しなくとも、また市場を地元(福岡)に特化していても、中小企業が別次元企業へ変貌する例には枚挙の暇がない。その典型が紙与産業グループ(本社:福岡市中央区)である。福岡都心部の目抜き通りの至るところにオフィスビルを所有している。江戸後期から大地主であった。「渡辺通り」という地名が現代にも残っていることからもわかる。同じような大地主の大半は淘汰されてきたが、この紙与産業グループだけは君臨を続けてきた。渡邉家の厳しい家訓に基づいた経営をしてきたことが為せる業である。
建設業界でいえば、この別次元企業へ仲間入りしているのが上村建設、照栄建設、北洋建設が並ぶ。西武ハウスの同業者では新栄住宅(本社:福岡市中央区)1社だけがランクインしている。その別次元企業の玄関口に、今やえん、コーセーアールイー、西武ハウスが立っているのである。
(つづく)
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