(株)アダル、武野重美会長が見た上海の「いま」(8)
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独立資本へ移行
武野社長は必死で工場用地を探した。これまでの位置から西へ10キロほどの所に工場を構えた。2000年のことだ。やはり田畑を工場用地に開発された場所であったが、行政が大々的に力点を置いたものではなかった。町工場規模の設備を整えた程度であったが、日本における厳しい単価に耐えうる商品の生産は円滑に進んだ。子会社工場としての機能を十分にはたし得たのだ。結果、日本からも工場視察にクライアントが押し寄せるようになってきた。
何よりも合弁時代に苦労して培った工場労働者管理のレベルアップが功を奏して、生産性と品質向上が両立できるようになった。何よりも同社長の自前の経営を貫通できるから経営スピードが速くなる利点も大きい。
そして上海現地出身の事業パートナーを射止めたことが躍進の原動力になった。何よりも中国現地の人たちの考えを理解できることは、最大の強みになる。加えてパートナーの家族たちの協力もあり、業績は安定してきた。隣接敷地を買収して工場拡大にも一歩一歩手を打っていったのである。
松江区へ進出
独資工場の受注は多面性を帯びてきた。日本の親会社からだけの仕事だけではなくなったのだ。中国国内、アジアなどの外国から直接、受注するようになったのである。新たな得意先が誕生したのだ。別記した通り松江区の工場団地に進出する意向を持っていた日本人経営者から相談があり野中氏は松江区に3番目の工場建設することを決断した。
ただし今度の工場は日本本社とは関係なく単独営業で賄われるものとした。要は単独新会社として設立を図ったのである。同氏の経営手法は常に進化していく。2006年、松江区の工場が稼働する時点では世界市場に納めるような強大な得意先も現れてきた。前記した通り業績が伸展していたおかげで現代的な大型工場も建設可能となったのだ。同社長の経営力が傑出していることの為せる業なのである。
そしてついに浙江省桐郷市で4番目の工場建設進行中である。この工場は6月にはオープンする予定である。武野社長の挑戦はまだまだ続く。
(了)
(株)データ・マックスが主催する「MAX倶楽部NEXT」では5月8日(火)午後5時から、データ・マックスセミナー室(福岡市博多区中洲中島町2-3福岡フジランドビル8F)にて(株)アダルの武野重美代表取締役会長の特別講演会を開催。
中国進出から20年、集大成として新たに開設する新工場への想いを語ってもらう。参加申し込みはこちらをダウンロードしてプリントアウト、必要事項をご記入の上
FAX:092‐262‐3389
までお送りください。法人名
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