【巨大地震に備える(3)】マグネチュード10クラスの地震に相当するほどの人口減少
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出生者数90万人割れ一歩手前
6月2日(土)付の新聞で「自然減39万人 過去最大幅」というマグニチュード10の大型地震に匹敵するような衝撃的な見出しを発見した。記事の内容は2017年の日本の出生数から死亡数を差し引いた人口の自然減が39万4,373人で過去最大幅だったというものだ。(2017年の出生数は、その前年より3万人あまり少ない94万6,060人で過去最少を更新、死亡者数は戦後最多の134万433人)
筆者はたびたび、将来の日本の人口動態についてコメントしてきたが、今回は強烈なショックを受けた。このペースでいけば5年以内に出生数が90万人を割る可能性が高い。一方で死亡者数は増加傾向がさらに強まり、いずれ200万人を突破するだろう。そうなると1年間の自然減が110万人に到達するのも時間の問題だ。110万人減るということは、1年で宮崎県の人口が0人になってしまう計算になる。まさに危急存亡の秋といっても過言ではないだろう。仮に南海トラフ地震が発生しても、これほど多くの死亡者が出ることはないだろう。
人間という1つの種が、自らの判断で種を消滅させようとしている。日本人が、自らの手で種を減らす選択をするのは、もちろん初めてのことだ(内乱・戦争という事象はあるが…)。「このままだと日本人は滅びてしまう」と思わざるを得ない。本能的に自ら種を削減させることが賢明だと判断しているのだろうか?それは神のみぞ知る。
種の保存放棄はいつまで続くのか!!
すべての若者たちが種の保存を忘れたわけではない。博多リバレイン(博多区下川端)の5~6階に「福岡アンパンマンこどもミュージアムinモール」があり、そこではたくさんの子ども連れを見ることができる。
子どもがいる親たちは、比較的若いうちに結婚した人が多い傾向にある。そうした若いうちに結婚した夫婦の場合、子どもが3人以上いることもそれほど珍しくはない。決して日本人すべてが種の保存から逃避しているわけではないのだ。
だが家庭をもちたくてももてないという層は一定数存在する。一部には「結婚なんかしたくない。他人と共同生活など考えられない。だから家庭はもちたくない」と公言する者もいるが、これは少数派だろう。大半は家庭をもちたいという願望はあるが、異性とどう付き合えばよいかわからなくて、あきらめてしまう人が多いようだ。こうした人たちを社会がバックアップする(お見合いイベントの開催など)取り組みも今後は必要となってくるだろう。
人口7,000万人で落ち着くのか
日本の人口は幕末の1867年当時で約3,300万人、大正時代の1920年が約5,500万人、そして1億人を突破したのが1967年だ。人口のピークは2010年の1億2,800万人で、この年から減少の道へと踏み出している。
さて日本の人口は、どの水準で落ちつくのだろうか?人口減を食い止めるためには移民政策の推進も考えられるが、移民政策には根強い反対論があり、事はそう簡単には進まない。
1945年当時の7,000万人台におさまれば御の字だが、予測するのは至難の業だ。「日本丸」の今後の舵取りを過去の経験に頼っていると沈没は必至だ。
(つづく)
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