怪物・カマチグループ創設者、蒲池真澄氏(2)
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ではTOTOに迫るカマチグループをどのように理解すればいいのか判断できないでいる方々も多かろう。そこでまず、蒲池真澄氏の発言を十分に紹介してみよう。
カマチグループ創設者、現・社会医療法人財団 池友会 理事長、現・一般社団法人 巨樹の会 会長
蒲池真澄が語る、これからの10年。
昭和49年、19床でスタートした下関カマチ病院から40年。
カマチグループは病院22、学校7を運営する医療法人として成長してきました。
これからは回復期のリハビリテーションにも一層力を入れ、今後首都圏で10~20の回復期医療施設を新設し、高齢化社会の医療に携わる者としてスタッフ一同、最善の努力を続けます。下関カマチ病院を開院したときから「厚生省(当時)の政策を10年先取りして動かねば」と考えてきました。当時、救急対応していたのは当院と久留米の聖マリア病院くらいで、普通に治療をすれば助かる患者さんが手遅れで亡くなっていました。国内で事故に遭えば、ベトナム戦争の戦場よりも死亡率が高かったのです。小倉に小文字病院を開設し、よその病院が受け付けない患者さんを、うちの技術と医学知識で治療し、全体をレベルアップさせてきました。その結果、福岡、北九州の医療現場から「タライ回し」を無くしたのです。
病院の運営は、オーケストラの演奏によくたとえられます。ヴァイオリンやフルートなど実に32種類もの楽器が指揮者のタクトの元で最高の演奏を聴かせます。病院も医師だけでなく看護師や薬剤師、技師、訓練士、事務、厨房、清掃など全職種が責任を果たしてこそ全体のハーモニーが生まれ、最高の医療現場となります。私は今後も「手には技術、頭には知識、患者さまには愛を」をテーマに命を懸けて進みます。基本は救急救命です。当グループの中枢である24時間365日体制のER救急センターは十分に機能しています。救急はスピードが勝負です。地上を救急車で時間をかけるよりヘリで拠点病院に搬送し、ICUで治療を受けることで救命率は上がります。医療搬送用ヘリコプター「ホワイトバード」は、医師や看護師、パイロットや整備士が、患者さんの生命を救うことを第一に、一丸となり緊急時に備えています。また、日常に目を向けますと、これからの日本はますます高齢化が進み将来は医療費のほとんどが老人医療に占められることは明白です。日本の年間医療費は約35兆円で、ほかに高齢者の介護費が10兆円ほどかかってきます。国は医療費抑制に力を注いでおり、10年先を読んで対応できない医療機関は今後、脱落していくでしょう。
そこで、この先、10年で首都圏に10~20の回復期施設を展開し、そこでの地域医療に尽くしたいと考えます。
その一環として武雄市の市民病院を当グループが引き継ぎ、平成23年に新築移転し、スタートしました。これからも市民の皆様のお役に立てればと思い、日々医療技術の向上に励んでおります。また回復期のリハビリテーションは、患者さんに生きる希望を見出し、人間として生きるための尊厳を回復することが、使命です。
これまでもこれからも、人間の生命がある限り、カマチグループは医療界のプロ集団として邁進してまいります。(出典:カマチグループのパンフレット)
(つづく)
<プロフィール>
蒲池 真澄
学校法人福岡保健学院創設者、社会医療法人財団池友会理事長、カマチグループ会長。
1940年4月14日、福岡県八女郡黒木町生まれ。蒲池家は江戸中期から8代続いた医師の家系で、蒲池真澄で9代目となる。59年 福岡県立修猷館高校卒業、65年九州大学医学部卒業。東京虎ノ門病院でインターン(1年間)、九大大学院医学研究科、下関市立中央病院、福岡大学医学部を経て、74年に今日の池友会グループの礎となった下関カマチ病院を開院し独立した。関連キーワード
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