2024年12月23日( 月 )

怪物・カマチグループ創設者、蒲池真澄氏(4)

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<企業規模はTOTO並み>

 さて本題の主旨に本格的に突入しよう。
 蒲池氏の華麗なるプロフィールは九州大学医学部卒のほかには何もない。九大医学部の主流の派閥に所属していたわけでもない。率直にいえばアウトサイダーである。医師会とは縁を切って独立独歩を貫いてきた。(現在は医師会のメンバーにもなっている)。特定の政治家を操って成り上がったというものでもない(政治的には民主党系であるから野党のスタンスだ)。
 あるのは他人の1万倍を上回る徒手空拳のパワーである。このパワーを全開させて快走してきた。【日本一の救急病院になる、日本一の回復病院にさせてみせる】と毎朝、毎晩己に念じ言い聞かせて41年医療ビジネスの経営に傾注してきた。結果、【TOTO企業並みの医療ビジネス集団】という規模に達したのである。これだけの規模の組織集団を成長させてきた蒲池氏の手腕には兜を脱ぐ。(いずれは徳洲会との比較記事を掲載する)

<一大医療ビジネス組織集団>

fukuoka_wajiro 「カマチグループがTOTO並みの事業規模」と指摘したら「そんなに大きくないだろう」と疑問視する方が多いはずである。勿論、製造業であるTOTOの売上5,000億円には遠く及ばない。しかし、業種それぞれの違いはある、特性があることは周知している。例えば弊社の場合では社員総数40名である。仕入れ原価はまず僅少で粗利が高い。建設会社に置きかえると社員一人頭1億円と言われているが、8,000万円に低めに設定する。そうすると8,000万円×40名=32億円となる。そういう置換えがポイントである。

 置換え作業を進行しよう。医療ビジネスは労働集約産業である。格好よく表現すれば知的集団産業となる。現在のカマチグループの推計売上は850億円内外(2014年3月期)と読む。そして現在、東京・首都圏事業の拡大に全力投入している。本年度2015年には2つの病院を開院することになっているので売上増に貢献する。恐らく2017年3月期にはカマチグループの売上は1,000億円を突破することになる。この時点で【カマチグループはTOTO規模になった】と評価を受けてもおかしくない。傑物のやることは桁違いである。

 現在のカマチグループの事業規模をまとめると次のようになる。
 社会医療法人財団池友会、一般法人巨樹の会、医療法人社団緑野会、学校法人福岡保健学院の4法人で構成される。病院数は10月開院予定を含めると22病院に及ぶ。職員数7,405人、病床数3,433床になる。学校法人は8、そのうち学院は7校あり500人の定員数を誇っている。まずは看護師・技術士などは自前で養成するシステムを構築している一大医療ビジネス集団であることを知って頂きたい。
 これだけの大所帯を切り回すには蒲池総帥のトップリーダー力だけで不可能である。同氏の経営理念に共鳴して尽くす事業マネージャーの存在があるからこそ組織は廻り発展していくのだ。蒲池氏にはそれだけの事業マネージャーたちを誑かす能力に長けているのである。また「よくまー22病院を賄うだけの医師たちを掻き集めたものである」と感服する。束である医学部のある大学から束ねて医師たちを掻き集める構造は築いていないから尚更、感服するのである。

(つづく)

<プロフィール>
kamati_pr蒲池 真澄
学校法人福岡保健学院創設者、社会医療法人財団池友会理事長、カマチグループ会長。
1940年4月14日、福岡県八女郡黒木町生まれ。蒲池家は江戸中期から8代続いた医師の家系で、蒲池真澄で9代目となる。59年 福岡県立修猷館高校卒業、65年九州大学医学部卒業。東京虎ノ門病院でインターン(1年間)、九大大学院医学研究科、下関市立中央病院、福岡大学医学部を経て、74年に今日の池友会グループの礎となった下関カマチ病院を開院し独立した。

 

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