怪物・カマチグループ創設者、蒲池真澄氏(5)
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<確実に儲かる、驚異的な資本集積>
まずは医療法人池友会の2014年3月期の決算を参照して頂きたい。売上370億90,468千円経常利益45億77,479千円、当期純利益44億83,209千円である。これを見てどの経営者も愕然とするであろう。法人税がほぼゼロでこの当期純利益に近い45億63,320千円が繰越利益準備金に廻されるのである。前期平成25年3月期においても39億80,111千円繰越金を計上している(この繰越金は翌期には別途積立金に付け替えられている)。
税金納入が少なければ資本の集積スピードは驚異的である。例えば健食通販の新日本製薬(本社:福岡市中央区、代表後藤孝洋氏)のオーナー会社・樹の資本蓄積のテンポをリポートしたことがある。【樹は13期で160億円の資本を積み上げた】というリポートしたら関係者は驚嘆の声を発した。誰が妬もうとも嫉妬しようともこの会社は税金を納めて資本を蓄積したのである。山田オーナーの才覚が天才的なレベルにあるという証明である。
ところが医療法人池友会の場合には2013、2014年3月期の資本蓄積平均40億円にしてみると今後の5期で200億円の資本上積が予想されるのである。今後の13年間で520億円に達する。新日本製薬の山田オーナーの13年間160億円の3.5倍の迅雷技である。しかし、これは蒲池総帥が3.5倍山田オーナーよりも経営能力が優れているという証ではない。医療法人は税金納付負担を軽減されている。さらには国民健康保険制度で病院の収入(売上)は過保護状態にある。だから民間の厳しい競争・戦争の渦中から利益を捻出するのは至難の業だ。この点は読者も理解しておく必要がある。<池友会は儲かる、収穫時期に達している>
池友会は【装置産業であるので借入過多という印象】を持つのだが意外と健全な財務を保っている。売上370億円の規模に対して固定負債と短期をプラスしても150億円程度であるから年商の半分にも満たない。また現在の低金利水準から勘案してもたいした負担は無い。現預金と土地の評価分を足してだけでも借入見合い額に充当できているのであるから健全な証拠である。2013年、14年2期間に長短借入額を35億円減らしている。また現金は11億円増えているのだ。このテンポが維持できたら5年後には無借金になる。装置産業が借入ゼロになるとは想像することもなかった。
この池友会には利益がでる理由がある。【収益・刈り取る時期】に差し掛かっているということだ。この組織の本部のある和白病院を開院するときは蒲池氏にとって博打に近いリスクを背負っていたのである。装置産業特有の借入過多の圧迫に苦しんでいた。周囲は面白おかしく『蒲池は持つまい』と冷ややかに見守っていた。だが冷ややかな評論家たちにとって残念ながら蒲池氏は急場を凌ぎ【大医療集団の基盤】を和白病院開院で打ち固めたのである。カマチグループの今日の基礎が構築されたといえる。
そして現在、蒲池総帥の事業戦略の拠点は東京・首都圏に移行している。彼の頭脳には『首都圏拡大をどうするか?』で詰まっているのだ。福岡・北部九州での新大型事業展開は皆無と見られる。そうなると借入をして一勝負することがなければ過去の投資の果実を頂くしかない。利益は膨張し資本蓄積が加速化するのは自明のことである。【医療法人池友会の経営は誰でもできる、いや蒲池総帥いなくとも運営できる】のだ。(つづく)
<プロフィール>
蒲池 真澄
学校法人福岡保健学院創設者、社会医療法人財団池友会理事長、カマチグループ会長。
1940年4月14日、福岡県八女郡黒木町生まれ。蒲池家は江戸中期から8代続いた医師の家系で、蒲池真澄で9代目となる。59年 福岡県立修猷館高校卒業、65年九州大学医学部卒業。東京虎ノ門病院でインターン(1年間)、九大大学院医学研究科、下関市立中央病院、福岡大学医学部を経て、74年に今日の池友会グループの礎となった下関カマチ病院を開院し独立した。関連キーワード
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