開発に揺れる柳橋連合市場(2)~マンション建設強行する県外業者
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柳橋連合市場一帯を再開発しようという構想はずいぶん前からあったものだが、依然として実現はしていない。部分的な開発は今に始まったものではないが、現在2つの開発案が同時に進行しており、それぞれの説明会が住民および事業者向けに重ねられている。大規模開発を進める地場業者と部分開発を進める県外業者。2者の取り組みをめぐり、市場内関係者の反応にも温度差が生じてきている。
高口ビルの建て替え提案
大規模開発を目指す地場業者の動きと同時に、同市場内に県外業者がマンション建設を画策している動きもある。場所は市場中央部、住吉通りに面した築年数約50年になる2階建てのビル。1階には店舗、2階に柳橋連合市場協同組合や福岡南天神振興会、福岡市移動飲食業組合などが入居する通称「高口ビル」。同ビルの建て替えを進めているのは、東京本社の不動産業、(株)ジョイフルコーポレーション(本社:東京都町田市、佐野吉裕代表)。これまでに中洲や柳橋連合市場一帯で、いくつかの不動産売買に関与していることがわかっている。
関係者の話によると、「ジョイフル社が同市場内で、最初に手がけたのは2、3年前の土地売買だ」という。現在、那珂川沿いでマンション建設が進んでいる一画の土地売買に関与したのが最初。その後も、マンション建設を前提に市場内の不動産を部分的に取得しているようだ。住吉通りに面した「喫茶ベニス」はジョイフル社への売却を断ったようだが、周囲の不動産はすでに買収済み。ベニスが動けば、もう一棟のビル建設が浮上する可能性もある。
駐車場隣接店舗と係争
また、ジョイフル社は、現在マルキョウ柳橋店跡地で駐車場「ジョイフルパーク」を運営している。こちらの土地所有者は香蘭女子短期大学など複数の教育施設を運営する学校法人山内学園で、ジョイフル社は同学園から賃借するかたち。契約条件から年間の賃料をはじき出すと、約1,800万円となるが、目立たぬ場所だけに駐車はまばら。関係者の話によると、ジョイフル社からの提案により、同法人が購入を決めたようだ。当初は同地にホテルかマンションの建設を計画していたが、実現せず駐車場に落ち着いたようだ。隣接する店舗との境界をめぐり、意見が対立。ジョイフル社が突然、コンクリートブロックを積み上げたことで、係争に発展しているという。駐車場入り口には、違和感のあるブルーシートがかけられており、現場は異様な雰囲気である。
ジョイフル社の強引な権利主張。これが高口ビル建て替え計画にも見え隠れする。
(つづく)
【東城 洋平】▼関連リンク
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