開発に揺れる柳橋連合市場(8)~ジョイフル側に立つ理事長が放った決定的な一言
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柳橋連合市場一帯を再開発しようという構想はずいぶん前からあったものだが、依然として実現はしていない。部分的な開発は今に始まったものではないが、現在2つの開発案が同時に進行しており、それぞれの説明会が住民および事業者向けに重ねられている。大規模開発を進める地場業者と部分開発を進める県外業者。2者の取り組みをめぐり、市場内関係者の反応にも温度差が生じてきている。
6月24日13時から、柳橋連合市場協同組合で今年2度目の緊急総会が開催された。データ・マックスは、独自に総会での録音記録を入手。内容を検証する過程で、楠下理事長が、再開発を進める(株)ジョイフルコーポレーション側に肩入れしている様子が伝わってきた。楠下理事長含め理事らは、同事務所移転を進めたい意向のようだ。
そう判断せざるを得ない決定的な一言がある。理事長が放った「妨害」という言葉だ。総会の中で楠下理事長は、組合員に対し声を張り上げ、「(データ・マックスに)情報を流しているのは誰か」と犯人捜しを開始。「地場の金融機関はこのネット記事を理由に、ジョイフル社への融資を断った。これはひとつの『妨害』だ」と発言し、総会参加者を威圧していた。
これに対し、組合員は極めて冷静。「妨害にはなっていない。ジョイフル社のビジネス上の問題であり、組合員が心配することではない。うそは書かれていない。事実をそのまま書いてある。ジョイフル社にとっては、妨害かもしれないが、組合にとっては妨害じゃない。理事長はどちらの味方なのか」
記事を理由に、ジョイフル社が融資を断られたことを「妨害」と表現したのは、ジョイフル側の立場の人間であることの証明。理事長本来の役割として、組合員側に立っていれば「妨害」という言葉が出てくるはずはない。この一言が、組合員の不信感を増幅させた格好となっていた
楠下理事長から放たれたジョイフル社寄りの発言は他にもある。
「すでに退去を決め、引っ越したテナントがお礼を言いに来た。引っ越しから移転先の世話まですべてジョイフル社がやってくれた。おかげで何もしなくて済んだと」
「防犯設備の移設も、ジョイフル社がやってくれる。移設費用は数百万円。弁護士もこんな有利な条件はないと言っている。だいたい立ち退きは金で決めて終わり。あとは自分で店を探し、回収も含めて全部自分。それが今回は引っ越しから仮店舗まで面倒見てくれると言っている」
組合員が市場内への通路が閉鎖されることについて言及したことを受けて――「連合市場には複数の出入り口がある。(通路閉鎖について)そのような消極的な考え方はやめてほしい。前向きに考えてほしい」
「ジョイフル社には借りができた。ジョイフル社側の設計業者が建物の欠陥を発見した。補修に関しての費用数百万はジョイフル社が費用を出してくれることになった。私が頭を下げてお願いした」
いずれも、早期の事務所移転を説得するような発言だった。
「決済期日の6月30日まで待とう。それから採決をとっても遅くはない」と会を締めた組合員。この発言のほうが、よほど組合全体の利益を考えた発言である。
(つづく)
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