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特別取材

目に見え始めた春吉開発 天神博多回遊軸の期待高まる(1)
特別取材
2008年1月23日 17:42

 先だって計画が進められてきた渡辺通り・春吉地区の再開発だが、目標年度が近づいてきていることもあり、予定エリアを含め、その周辺でも建設現場が増えてきていいるようだ。2011年には、博多駅が生まれ変わり、天神地区との連携の必要性は、ますます高まっていくと予想される。その間に挟まり、長い間、開発をさけてきた渡辺通り・春吉地区。再開発が進めば、まったく様変わりする可能性は高い。


まだまだこれから 福岡開発の可能性

 昨年の地価公示では、住宅地・商業地の両方において15年ぶりに上昇に転じるなど、活況を帯び始めた福岡市。とくに都心部においては、バブル期を彷彿とさせる水準で上昇している地点もある。中央資本や外資マネーが福岡に集まってきていることが主たる原因であるが、その魅力として、住宅の都心回帰傾向、それに伴う2025年までの人口増予測、九州新幹線全線開業による商圏拡大、アジアを中心とした外国人観光客の増大などが挙げられる。東京などに比べ、まだまだ開発の余地を多分に含んだ「福岡」は、ファンド、J-REIT、中央大手デベロッパーなどにとって、注目に値すると言える。

 これまで福岡市は、都心部、副都心部において数多くの再開発事業を行なってきた。これらは、市の策定したマスタープランに基づいて進められているが、時代の変遷とともに見直され、01年5月に現プランに改定されている。この改定では、市の財政悪化にアイランドシティ開発費用負担が重なるといった背景を考慮し、予算縮小・民間主体へと軌道修正した。ただ、現行の計画が目標年次(10年)に近づいてきていることから、さらなる改定が求められ始めており、今年から来年にかけての改定が予定されている。

 こういった動きのなか、早くから、その必要性が叫ばれていながら、なかなか開発が進まずにいた渡辺通り・春吉地区に動きが見え始めている。


未開地残る春吉エリア 新たな拠点たり得るか

 件の地区は、空襲を免れたため、現在でも古くからの狭い路地に、小さな商店、家屋が散在しており、これまで、開発事業やマンション建設の進出を妨げてきた。その一方で、天神という大きなマーケットに隣接する“都心の未開発地”というポテンシャルの高さに加え、消防車などの緊急車両が入りにくいなどの都市防災上の理由から、再開発の声は継続的にあがっていた。

 01年改定の都市計画マスタープランによって、事業規模が大幅に縮小したものの、地下鉄七隈線の渡辺通駅周辺における、事業効果の高いと考えられる約2.5haについての開発が決まり、04年4月に土地区画整理事業の都市計画として決定した。

 予定地は、渡辺通駅の北側出入り口周辺で、広瀬病院から都市未来ふくおか社屋を前面に、東に約220m入り込んだエリア。最終的には、そのエリア中央にキャナルシティ博多の南側につながる幅18mの「渡辺通・春吉線」を通し、渡辺通りに面したエリアをオフィス・商業区域、その内側を住宅区域とするとしている。渡辺通・春吉線を、キャナルシティとの回遊軸に位置づけ、ビジネス、都心居住、商業地が調和した、新しい拠点づくりを目指している。


「点」から「線」へ

 この事業には、3つの視点から意義付けがされている。まず、大きく分けると
(1) 天神から博多駅を含む福岡都市部の循環構造の実現
(2) 春吉エリアの地域づくり
という2点。
 このうち、(1)については、博多駅→呉服町→天神→渡辺通り1丁目という大循環と、天神とキャナルシティ博多を両極とする小循環の2つの輪を整備するという構想を実現するために
a 渡辺通りの顔づくり
b 渡辺通・春吉線の整備
の2つが今回の開発事業のなかに組み込まれている。
 (2)については、今後、春吉地区全体を整備していくためのモデルとして
c 都市型住宅エリアの形成
を、掲げている。
 これら3つの意義付けを、それぞれ細かく見ていく。

<a渡辺通りの顔づくり>
 現在、天神地区に集中している商業・ビジネス機能を、博多駅周辺を含む大きな循環構造を実現することで、「点」から「線」へと変化させ、渡辺通り沿いを、都心部の幹線道路にふさわしい機能と景観を持った街にするという構想が検討されている。その具体的なモデルケースを、今回の再開発事業で実現しようというのが目的だ。

<b渡辺通・春吉線の整備>
 キャナルシティ博多の南側から那珂川を渡る橋を経て渡辺通りまで突っ切る渡辺通・春吉線を計画しており、現在、橋を渡って春吉大通りに突き当たるところまでは完成している。今回の事業では、渡辺通り側からの道路が220mほど進捗するわけだが、最終的にはこれをつなげ、回遊性向上の核にするとしている。

<c都市型住宅エリアの形成>
 現在、渡辺通り・春吉地区が抱える都市防災上の問題を解決することに加え、高齢者世帯の増加や都心回帰現象が顕著になってきていることから、市ではこの地区全体を都市型居住地として整備していく構想を掲げている。今回の事業では、まず2.5haのエリアを整備し、最終的な計画のモデルにしたい考えだ。


つづく

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