NET-IB NEWSネットアイ

ビーニュース

脱原発・新エネルギーの関連記事はこちら
純広告用VT
カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

特別取材

躍進するネット、衰退する雑誌 タウン情報誌は生き残れるか(2) | 業界を読む
特別取材
2008年2月19日 10:50

九州ウォーカーの広告が激減

 福岡でタウン情報誌と言えば、九州ウォーカーが有名である。97年6月に、九州に初上陸した際は、3億5,000万円という破格の宣伝広告費を使って大々的なPRを行ない、地場の最大手だった「シティ情報ふくおか」との戦いに勝利したのは有名な話だ。

 04年12月発売号を見てみると、ページ数は170ページだが、今年1月29日号は110ページにまで激減している。広告が詰まる年末年始と、比較的少なくなる年明けの号を比較するのは、ある意味フェアではないかもしれないが、それでも60ページも減少しているのである。また、九州ウォーカーの1ページ広告料金は70万円である。1ページ広告に関しては、04年12月は40ページに対して、今年1月は15ページと、広告費だけでも単純計算で約3分の1、つまり2,800万円が1,050万円にまで落ち込んだことになる。

さらに、07年2月は134ページに対して、1ページ広告が約25ページだったため、ここ1年間でさらに収入が悪化したことが予想される。これが月2回、年間24回発行されるため、04年が1ページ広告で約7億円の収入、07年が約4億円である。そして08年は、このままの状態で行けば、約2億5,000万円となる。1ページの収入換算で、3年間で約4億5,000万円減少した計算となる。正式な計算方法に基づいたものではないものの、天下の九州ウォーカーの広告収入が激減しているのはまぎれも無い事実でなのである。

 福岡のタウン情報誌の衰退は、フリーペーパーの台頭により広告収入が激減していることが一番に考えられる。しかしいずれは、福岡でもネット広告がかなりのシェアを占めてくると思われる。ネット広告は、クライアント(広告主)が求める理想のかたちとも言われているからだ。

 今の主流はネットのアフィリエイト広告である。いわゆる、成果保証型広告であるが、最近ではこのように、広告主のリスクが少ない広告が首都圏を中心に広がりを見せつつある。種類もテキスト、バッジ、ポップアップ、検索連動型、メール型など多数あり、よりクライアントのニーズに沿った広告展開を可能としている。企業や商品のブランドをPRする広告や記事広告で費用対効果を上げるフリーペーパーや、ネットのアフェリエイト広告は、支払体系や掲載方法が複雑なため、福岡ではまだ浸透していないが、近い将来、このようなかたちが主流となるであろう。


アイデアなければ淘汰の時代

 福岡には、3つの地場タウン情報誌があるが、それぞれ過去に倒産を経験している。シティ情報ふくおかを発行した㈱プランニング秀巧社は、06年6月に福岡地裁より特別清算を受けた。現在は、㈱シティ情報ふくおかとして再出発を図っている。福岡で初めてのタウン情報誌『おいらの街』は、05年1月に自己破産し、久留米市の㈱月刊くるめに事業移譲された。『おいらの街』を継承した同社も、前身の㈱西アドが94年に一度自己破産をしており、現社名で事業を継続して現在に至るのである。

 破綻した理由は様々ではあるが、常に変革し、新しい物やかたちを取らないと、生き残ってはいけないということだ。現在、フリーペーパーで賑わっているが、クーポンサービスも読者に飽きられ、以前ほどの効果は無いとされ、広告収入も伸び悩んでいるところが多い。実質、頭打ち状態であり、今後、雑誌の衰退とネット業界の躍進が続くようなら、「大規模な淘汰が予想される」と業界関係者は指摘する。

 2011年、九州では新幹線が開通する年に、ネット広告費は約7,500億円に達するが、雑誌広告費はどのくらい減少しているのだろうか。いずれにせよ、ネット広告に負けないアイデアを出し続けなければ、淘汰されていく時代であることは間違いない。

関連記事

powered by weblio


特別取材一覧
特別取材
2011年6月24日 07:00
純広告VT
純広告VT

純広告用レクタングル


IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル