いよいよ地雷原の中を歩く。地雷原は危険であるため、最大で6名までしか中に入れず、3チームに分けることになった。全部で5kg以上はあるだろう、プロテクターとヘルメットを装着。ずっしりとくる重みと30度を超える暑さで、汗がにじみ出る。
撤去作業にかかっている土地の総面積は47,402m2(東京ドーム1個分)。1月8日に作業を始め(5月8日終了予定)、2月20日までに約6分の1に当たる8,070m2が撤去を完了している。破壊した地雷が34個、見つかった金属片が7,693個。実に、0.4%の確率でしか地雷が見つかっていない計算になる。
昼間は暑くなりすぎるために作業を中断するとは言え、地道な地雷撤去作業が、この暑さのなか命がけで行なわれており、しかも7,727回の金属反応で地雷が34個しか見つからない、と考えただけでも気が遠くなる。
また、この日見つかった地雷をすぐ近くで見たが、こんなに簡素で小さなものが簡単に人の命を奪ってしまうのだと思うと、何とも言いようが無かった。視察を終えたあと、笛の合図とともに地雷の爆破作業が行なわれた。あまりの音の大きさに「オォー」という驚嘆の声も聞かれた。こうして、1個ずつ撤去作業が続けられる。
さて、これまで地雷撤去の状況について見てきた。繰り返すようだが、地雷撤去が住民の命を救う事になるが、作業者の命を奪う事と背中合わせである。しかし、誰かが撤去しなければ永久に被害者を生み出すだけだし、それを支援する団体が無ければ永久に地雷撤去ができないのである。
次回から、被害者がどのような苦しい生活を強いられているのかを見ていきたい。
つづく
【大根田康介】