地球人として地求人のために・・・福岡より
悪魔の兵器「地雷」を無くすために
福岡から飛行機で約6時間の距離にあるカンボジア。近年、世界遺産ブームにより、アンコールワットへの観光客が急増し日本人の観光客も増えてきた。高級ホテルが建ち並ぶシェムリアップ。しかし、一歩外に出ると、そこには電気もガスも水道もない世界が広がっている。カンボジアは人口の80%を越える人々が農業に依存しているが、灌漑設備は無く、自然まかせの農法で細々と暮らしている。同時にその貧しさに追い討ちをかけるかのように存在するのが悪魔の兵器=地雷である。
カンボジア地雷撤去キャンペーン(CMC)は、21世紀の今も毎日起きている地雷被害を無くし、地雷被害に苦しむ人たちを1人でも多く助けたいとの思いで1998年より活動を続けてきました。福岡市に本部を置き、国内各地およびカンボジアの現地事務所を拠点にチャリティイベントや写真展、募金活動などによる資金で地雷撤去活動や被害者の支援をはじめ地雷原の村での学校運営、地雷問題解決に向けたラジオ放送などを実施しています。最近では社会的にも評価され、いくつかの表彰を頂くようになってきました。これらCMCの活動は、多くの人のボランティアに支えられていますが、教科書での紹介や学校での授業、ホームページやマスコミ報道等によって活動を知った全国の子供たちからの支援は特筆すべきものがあります。しかし、カンボジアの厳しい現状は一朝一夕に解決できるものではなく継続的な支援が必要です。
NGOと行政の協働で国際貢献を
福岡は、歴史的にも中国、朝鮮始めアジアに開けた拠点都市として日本の外交上重要な役割を担ってきています。現在も福岡市はその国際化計画によって、積極的に世界、特にアジアとの共生、文化や人材の交流そして貢献することを目指して取組む姿勢を打ち出しています。具体的には国際化の基本理念の中に「アジアの課題解決に貢献する都市」を掲げ、その目標達成のための取り組みの基本施策として国際協力NGOの活動環境整備、基盤強化への支援をあげています。
国際協力に関する啓発事業として「地球市民どんたく」なども実施され、ネットワーク組織「福岡国際関係団体連絡会」もあります。長年「地球市民どんたく」の実行委員長を務めてきた立場としても福岡市の基本的姿勢は評価できるのですが、NGO活動を効果的に継続していくためには、より積極的な協働の必要性を感じます。NGOの多くが直面している問題に資金と人材がありますが、CMCの場合も、寄せられた募金は当然のごとく地雷撤去や被害者のために使うため、それを実施するために働く人の手当にはなりません。無償奉仕でできる範囲であれば問題ありませんが、事業が拡大しカンボジアの人たちからの信頼が強くなればなるほど、密な活動が要求され処理できなくなってきます。CMCに限らず、このような専門的スキルを持った国際NGOと国際化を目指す市の協働こそがこれから重要になると思います。
行政とNGOの協働の1つの方法として、市の職員がNGOに出向しNGOの活動実践を通して市の国際化を実現していくということができれば国際協力の成果をより大きなものにできるのではないでしょうか。
[プロフィール]
大谷 賢二(おおたに けんじ)
1951年福岡市生まれ。九州大学法学部卒。学生時代より国際・平和問題に関心が強くこれまでに79カ国訪問。日本初のパラグライダーインストラクターとして「日本選手権大会」「アジア大会」など企画運営。1990年「アジア太平洋こども会議in福岡」のイベントで日本イベント大賞奨励賞受賞。1998年5月NGOカンボジア地雷撤去キャンペーン結成。2006年3月西日本国際財団「アジア貢献賞」受賞。2006年12月日本国際連合協会表彰受賞。本業は広告イベント業。NGOカンボジア地雷撤去キャンペーン代表、NPO法人福岡歴史研究会理事長、NPO法人NGO福岡ネットワーク理事。
会社住所:福岡市早良区西新7-1-58-307
TEL:092-833-7676
URL:www.cmc-net.jp