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特別取材

No.043┃樋口産業(株)代表取締役社長 樋口徳一 氏 | 福岡への提言200人
特別取材
2008年7月 2日 14:00

資源循環型社会を目指して、汚泥と廃棄コンクリートを資源に

汚泥を再資源化

 同社は1948年に樋口産業として個人創業、当初は室見川の川砂利採取などを行なっていた。それ以降、砂丘砂や海砂の採取にも乗り出し、75年に現社名で法人化している。その後、事業が拡大、77年にはそれまでの営業部門を分離独立させ、福岡建材(株)を設立した。
 同社に転機が訪れたのは78年の福岡市地下鉄工事。工事によって出された建設発生土とコンクリート塊を同社が受け入れたことが、現在のリサイクル業につながっている。その後、福岡大学工学部との共同研究により、再生土や再生砕石など、さまざまな再資源化に成功している。
 「再生土」とは、下水工事や地下鉄のシールド工事など掘削工事で大量に排出された発生土を、上質な砂にリサイクルしたもので、生コン用砂や土木工事の埋め戻し材として利用される。「再生砕石」とは、ビルの解体工事などから発生する廃棄コンクリート塊を砕き、選別・分級処理し、新たに建築資材として再資源化したものだ。1日10tトラック200台分にものぼるという再生砕石の生産能力は西日本一で、同社の誇りでもある。
 現在、東区の東浜を中心に、建設発生土洗浄プラント(84年設置)、コンクリート塊の再資源化プラント(86年設置)、建設汚泥の脱水施設(91年設置)、建設汚泥固化施設(94年設置)、人工石粉プラント(98年設置)、戻りコン養生固化施設(2000年設置)など、数多くのプラント施設を稼動させて、建設廃材、発生土の再資源化に尽力している。

廃棄コンクリートを再生、再資源化

 同社の最近の取り組みとして、再生コンクリートが挙げられる。02年の建設リサイクル法の完全施工に伴い、再生砕石の新たな用途として再生コンクリートに着目し、04年にそのプラントを設置した。再生コンクリートの特徴は、天然骨材使用のコンクリートと、(1)同等のワーカビィティ(施工軟度)、(2)同一工程で製造、(3)同等の強度特性、(4)同等の施工性など。ほぼ天然骨材使用コンクリートと遜色の無い性質を持つ。
 06年、再生骨材をコンクリート向けに使用する傾向が強まってきていることから、再生骨材Lクラス(H、M、Lクラスがあり、Lは再生砕石場での製造が可能で、最も品質基準が緩やかなクラス。土木用基礎などに使用)がJIS規格化され、同社の再生コンクリートが、その第1号になるようだ。
 資源枯渇が叫ばれる現代社会において、リサイクル事業は必要不可欠な存在になった。ビルなどのスクラップ&ビルドが進めば、当然、廃棄コンクリート塊の排出量も増えてくる。同社はそれらを再生コンクリートとして再資源する技術を磨き、資源循環型社会の構築を目指してきた。今後もその歩みを止めることは無い。


[プロフィール]
樋口 徳一(ひぐち のりかず)
樋口産業(株)代表取締役社長
昭和16年福岡市生まれ。
福岡県立農業大学校卒業。
現在も農業、林業を営み自然との共生を実践している。
趣味は庭仕事というネイチャーリストぶり
 
 
 
 

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