◆こう見る・福岡空港「かさ上案」、航空技術進捗を睨み論議を(4)
自由民主党福岡県議団会長 藏内 勇夫県議会議員
◆こう見る・福岡空港「かさ上案」、航空技術進捗を睨み論議を(4)
自由民主党福岡県議団会長 藏内 勇夫県議会議員
国土交通省が6月末に発表した現福岡空港の増設新案がより現実味を帯びてきた。これに対して「新設」派の、劣勢を挽回する動きが活発化し始めている。
福岡県議会の最大会派―自民党県議団の会長であり、県議会最大のキーマンでもある藏内勇夫氏に、福岡県政の重要な課題である福岡空港をどうするのか、インタビューを行なった。
藏内 勇夫県議会議員(選挙区・筑後市/当選6回)
自由民主党福岡県議団会長
所属委員会―警察委員会・国際交流推進対策調査特別委員会
《航空機の技術革新と空港》
それともうひとつは、「3,000mの滑走路がなければハブ空港の機能を果たせない」という論議が以前ありました。大型長距離輸送機には3,000mの滑走路が必要であり、福岡空港では難しいということでした。
ところが、昨年シアトルのボーイング社の本社を訪ね、ボーイングの新しい中型機開発を調査してきました。機体を日本の東レのカーボンで造っている機種があります。機体のみを東レに発注し日本で製造するのです。この新型中型機の機体はものすごく硬く軽量なのです。エンジンなど他の部分は別の会社で造り、シアトルではそれらを集め組み立てるわけです。東レは、この新しい機種であるボーイング787の開発にはずいぶん出資しています。機体の軽量化で燃費も上がり、燃費が上がれば燃料積載量を減らすことで、離陸時の滑走距離が短くなります。福岡からニューヨークまで1万1500キロ、ワシントンでも1万1400キロあり、現福岡空港の2,800メートル滑走路では積載燃料の重量の関係で飛べません。しかし、この中型機になったら3,000メートルもの滑走路を必要とせず、現在の福岡空港の滑走路で1万5000キロを飛行することが出来ます。
短い滑走路で1万5000キロを飛行できるとなれば、おおかたの空港から直接、最長距離の空港へ直行することが可能になりハブ空港論がなくなってしまいます。どの空港からでもダイレクトに遠くに飛ぶ事が出来るということです。安全性も含めた航空機の技術革新がずいぶん進歩し、空港間をダイレクトに結ぶことが可能になりつつあり、効率化が進んでいるのです。こうした情報について国交省は全容を知っているはずですがまだ明らかにはしていません。福岡空港の議論を進めるには、既存の航空システムや飛行機の機能など技術革新が進んでいますが、そのことについての情報分析が十分になされていないと思います。最大会派の自民党としての意見をまとめるには判断の材料がそろっていない、ということです。
―とすればいままでのハブ空港議論を超えたものとして議論されねばならないということでしょうね。
蔵内/
全日空はボーイング787をすでに10数機発注していると聞いています。このような機種が飛行することになったときの論議も大事だと思います。海上空港を造って、24時間安全に運用でき、福岡に高層ビルが建設され、さらに福岡都市圏の利便性が向上することが理想でしょう。しかし理想どおりにはなかなかいかないものですから。
《今後の論議の行方》
―人口が増加し、経済が大きくなっていくという前提でハブ空港議論がされてきました。福岡市も今は人口が増えていますが、今後は減少時代に入っていきますから。
蔵内/
わたしにはその予測がつきません。例えば15年前に、「国内の石炭はオーストラリア石炭の3倍のコストだから国内炭は使わない」と言われていましたが、原油高などで同じ値段になりました。当時だれが予測できたでしょうか。これだけ世の中の変化が速いのですから、需要予測など素人のわたしには出来ません。「公」は意図するところに落とすために予測を立てがちでありますが。
つづく
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