● 北九州市の「子育て日本一を実感できる街」が泣く!
欺瞞だらけの子ども家庭局保育課の「回答書」を検証する
● 環境に2度優しい、ゴミ焼却溶融スラグを使った透水性ブロック
長崎県のテクノコムが北九州の代理店を募集中
● 「新・北九州市基本構想」を検証する(2)
●北九州市の「子育て日本一を実感できる街」が泣く! 欺瞞だらけの子ども家庭局保育課の「回答書」を検証する
8月11日の第2回住民説明会に、子ども家庭局保育課は住民側からの求めに応じて「公開質問状に対する回答書」を用意してきた。
「一枝保育所の移転改築計画について」と記された8月11日付け回答書
その回答書の一部を読者の皆さんに詳らかにしていこう。(全文はこちら)
回答書前段の「1 はじめに」の(移転先の選定について)次のとおり記されている。
「保育所の改築を検討するにあたっては、
(1)施設の安全性(子どもたちが安全に過すことができるか)
(2)保育環境の向上(ゆとりある施設や園庭、駐車場を整備できるか)
(3)保育の継続性(一枝地区との交流や自然に親しむ保育が継続できるか)
(4)交通の利便性(保育所への送迎が可能か)
(5)施設の将来性(保育需要の変化に柔軟に対応できるか、また新たな
取組みの可能性が期待できるか)
(6)経費の効率性(決められた予算の範囲で施設整備が可能か)
に配慮しながら福祉事業団と市がそれぞれの立場で検討を重ね、様々な選択肢の中から、仙水町の市有地を移転先として活用することで双方の合意に達し、昨年12月に計画案を公表しました。」
まずこの改築の検討段階で、「福祉事業団」と「市」は検討を重ねてきたとしているが、その検討段階で保護者や地域住民の意見を聴取したという形跡が全く見当たらない。
保育の拠点を移すということの重大性を認識せず、保育所への送迎が可能かどうか、実際の保護者の意見を聞かず、福祉事業団と市の独断で安易に市の未利用地への移転を決めたことが問題の始まりだったことを自ら語っている。
もし事前の改築検討段階で住民・保護者の意見を聞いていれば、仙水町移転という案はそこでつぶされただろうし、ここまでの移転反対運動が起こることもなかっただろう。
民間の場合、それが保育だろうと他の事業だろうと、実際の利用者の利便性や意向を調べることなく、拠点を動かすことが考えられるだろうか。せっかくいい固定客がいる店舗をわざわざ不便な場所に移す経営者がいるだろうか。
「福祉事業団」と「市」がそれぞれの立場でお互いに検討を重ね、とあるが、保育課は、いつも自分たちの都合のいいところでは福祉事業団を民間扱いし、利用者の意見を汲み上げているように装っているが、福祉事業団は市のOBの受け皿であり、市の言いなりで、民間意識のかけらもないことは明らかだろう。
もし本当に福祉事業団が主体性をもって保育所を経営しているなら、市がここまで移転先に関与する必要性はないはずだ。
民営化という名の下で、市の保育所経営無責任化が進んでいるのに「北九州は子育て日本一」という看板を揚げるのは少々おこがましいと思うのは記者だけだろうか。
本日19日朝、雨の合間にも、市庁舎前でチラシを配って一枝保育所を残すことを訴え続けている保護者・住民たち
【取材 松尾潤二】
つづく
●環境に2度優しい、ゴミ焼却溶融スラグを使った透水性ブロック 長崎県のテクノコムが北九州の代理店を募集中
この夏、地球温暖化で日本も亜熱帯化したためか、全国で突然の大雨により多くの被害がでてきている。
気候変動の影響も大きいが、一方で都市部では降った雨がコンクリートやアスファルトに遮られ、地中に浸み込まず表面を一気に流れていくため被害が拡大したと言われている。
また都市部のヒートアイランド現象も地表に透水性の材料を使えばかなり緩和されるとのことだ。
そこで最近増えてきているのが、透水性コンクリートブロックによる路面の舗装や排水路工事だ。しかし透水性コンクリートもいろいろ種類がでてきているが、まだ普及途上の素材であると言える。
(有)テクノコムは長崎県諫早市に本社を置く環境企業だが、透水コンクリート研究の先駆者で、元長崎県工業技術センターの野坂次良氏を顧問に迎え、ゴミ溶融スラグを使った「高透水性コンクリート・高透水性ブロック」を開発している。
ゴミ焼却により発生する溶融スラグを資源として再利用することで、テクノコムの透水性コンクリートは環境に2度優しい素材となっている。
また野坂顧問独自の製法で高透水性とブロック強度を両立させているので、大型車両が通行する路面でも安心して舗装材料として使用することができる。
既に長崎県内をはじめ福岡地区でも多くの施工実績を持っているが、まだ北九州地区ではこの透水性コンクリートの代理店がなく、建設・土木関連への営業代理店を募集しているとのこと。
詳しくは下記サイト参照。
http://www.techno523.com/
【取材 松尾潤二】
8月12日、前北九州市長・末吉興一氏の著書『自治体経営を強くする《鳥の目》と《蟻の足》』の出版記念講演会が小倉市内のホテルで催された。
北九州商工会議所と(社)北九州中小企業経営者協会の主催による講演会には多くの市民が詰めかけ、客席最前列には自民党の国会議員や市議会議員らが座った。
祝辞を述べた北橋市長は、特別講演を行なう麻生太郎・自民党幹事長の到着を待たず公務のため退席した。
今回の出版の目的について末吉氏は、「これまで取り組んできたことの結果と反省の上にたって、これからの地方自治はどうあるべきか。政治状況が流動化する中で、道州制など地方分権を如何に進めていくのかを議論するたたき台になれば・・・」と語った。また、同著に巻頭言を寄せた麻生氏は、「都市経営の視点を行政全般に導入し、先取りした男」と末吉氏の業績を称えた。
20年にわたって末吉市政が取り組んできたルネッサンス構想は、「国の制度を巧みに利用した財政運営によって、相対的に起債依存度の低い健全財政を実現した」、「徹底した国際戦略により、北九州市の国際認知度を著しく高めた」など、学術的な観点から既に一定の評価を得ている。しかし、その一方で、「四大プロジェクトの帰趨が21世紀北九州経済の将来を左右する」、「国庫支出金や地方交付税交付金の削減傾向が強まる今後が正念場」など、今後の課題も指摘された。
これらの課題に取り組むべく、新・基本構想では目標として「人と文化を育み、世界につながる環境と技術のまちづくり」を掲げ、目標実現に向け「人づくり・暮らしづくり・産業づくり・都市づくり」の4つを基本方針に定めた。北九州市が長年にわたって培ってきた環境技術と近隣アジア地域との連携を核に都市ブランドの構築を図る狙いだ。
今年7月には環境モデル都市に選定され、10月から記念事業として「環境首都100万本植樹プロジェクト」がスタートする。一昨年、環境首都コンテストで2年連続総合日本一になり、昨年から中国の天津市や青島市の循環型都市構築に協力するなど、北九州市の環境への取り組みは国内外で注目されるようになった。
こうした状況を受け、新・基本構想では環境教育や環境人材の育成を掲げている。高等教育機関に於ける環境工学教育は欠かせない要素だ。しかし、環境工学を学んだ学生を雇用する企業が北九州市に多くあるわけではない。
市内の大学を卒業した学生の8割が市外に就職しているという現状は、環境分野においても見られる傾向だ。
世界の環境首都を目指すうえで市民や行政の心構えや取り組みも大切である。しかし、市内にある環境関連企業の支援・育成策を充実させ、民官連携してアジア地域へのPR活動を展開し、世界的な環境関連企業誘致に尽力することが重要である。
【取材:森脇喜一】
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