柳川市のピアス社跡地買収をめぐる市長と議会側の長い対立は、9月9日から開かれている市議会でも議論を起こしている。ピアス社跡地問題については、市が実施している「移動市長室」で、民間N社が購入するという意向を同社社長のN氏が発言している。
この「移動市長室」は、県庁の「移動知事室」をもじったものだが、昨年は3箇所で開催された。N氏の発言はそこで飛び出しているが今年の「移動市長室」でも同様の発言が行なわれた。しかもこの「移動市長室」は、今年は7箇所と大幅に回数が増えている。それもそのはずである。来春には市長選挙が予定されているからだ。市長の実績を披露し、支持を拡大していく選挙そのものである。しかも公費を使ってである。
ところで、N氏は当時の大和町が購入した金額5億4,000万円以上でピアス社跡地を購入するという。とすれば今、調停で仮の処分として折半の金額負担となった損失をカバーできるというおめでたい話である。市長は言うかもしれない。「市の負担はなく、市民には迷惑はかけなかった。アスベストの処理も民間にまかせられるし、民間活用で市のためになる」と。
これまで議会で問題になってきた「ピアス社の責任」はご破算になるというわけである。しかし、このように事が上手く運ぶのかどうか。議会は当然拒否するし、市民の反発も相当のものがあるに違いない。
こうしたN社の動き、それと連動したような市長の言動が裏目に出るのではないか・・・。10、11日の本会議でピアス社跡地を巡る議論が再燃する。
つづく
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