福岡市立こども病院の人工島移転問題で、市内を拠点としている8つの総合病院のうち、6病院の産科部長らが、人工島移転の見直しを求める提言書に新たに名を連ねることが分かった。
6総合病院は、「済世会福岡総合病院」(中央区)、「福岡赤十字病院」(南区)、「九州中央病院」(同)、「原三信病院」(博多区)、「千鳥橋病院」(同)、「福岡徳州会病院」(春日市)。
今月9日に産科や小児科の開業医68人によって市議会議員全員に提出された「現場の専門医師からの緊急提言」に、新たに6総合病院の産科部長や副部長の9人が名を連ねる。これで提言書に賛同する医師は合わせて77人。12日に市議会各会派に郵送する。
総合病院のうち、残る「浜の町病院」と「九州医療センター」の医師については、「見なし公務員」の立場を理由に名は連ねていないものの、人工島移転に反対する気持ちは持っているという。
「結論ありき」の議会なら反発必至
強引に進められるこども病院の人工島移転に、ほとんどの医師は総すかん状態だが、医師だけではない。市内の自治会やPTA、大学生など各方面からも反発や怒りが巻き起こっている。患者家族を中心に行なっている、人工島移転の是非を問う住民投票条例の制定に向けた署名活動への協力者も増えており、ここにきて市民は「怒り」を「行動」に転じ始めている。
12日に市議会定例会が開会し、47億2,500万円で人工島の病院用地を取得するための補正予算案が提案される。民主、みらい福岡、公明、自民の各会派は開会前に人工島移転を認める意向を示しているが、市議会議員たちが「結論ありき」で臨めば、市民の厳しい視線が注がれることは必至。議会議員の良識が問われる定例会になりそうだ。
【豊田伸】
4,新病院の外来患者数や入院患者数の予測に誤りがあります。
行政は議会に諮る直前まで収支予測を公表しませんでした。5日の市長による発表では、新病院の1日あたり外来患者数は、420人と見積もっています。このうち、実績分として従来の300人が計算にあがっていますが、交通アクセスの悪い人工島になって患者数が同じ数とするのはおかしな話です。同様に、入院患者も過大な見積もりがみられます。PwCアドバイザリー(株)の報告書では、1日あたり初年度200人、3年目以降は250人となっています。これも平成13年度に162人になったことがありますが、平成14年度からの現病院での1日平均入院患者数は143~150人の範囲です。診療科が増えるといえども、少子化や疾病の軽症化が進んでいますので、入院患者が現在より100人も増加するという根拠は行政にぜひお示しいただきたいと思います。
5,患者さんやご家族は本気になって怒っています。
私ども医療関係者は常に患者さんの代弁者でなければなりません。住民投票を実現する会に賛同して、小児科診療所21カ所と早良区の内科など5カ所で署名運動が始まりました。今後、産婦人科医も同調する予定です。すでに行われている医療機関での反響は大きく、わずか3日で100名以上署名が集まった医療機関もあります。こども病院に受診経験のないご家族もわがことのように感じているようで、受任者も増えてきています。住民投票を実現する会では用意した署名簿が足りなくなっているとも聞きます。もちろん、お子さんを持つ世代だけではありません。内科など成人を扱っている医療期間でも協力者が増加しています。
6,子どもたちに「負の遺産」を残さないでください。
市の説明によりますと(新聞報道)、今後30年間の収支予測として、年間の収入が84億円、支出が91億円、これ以外に初期投資の返済10億円と見積もっています。年間17億円の赤字になります。確かに小児医療は採算性の悪いものです。それにしても収入の84億円は根拠が怪しいものです。現在の収入は55億円程度ですが、人工島に移転し、診療科目が増えても収入は減ることがあっても増えることはありません。患者数予測に過大な見積もりがあるからです。周産期医療の赤字を加えると、年間40億円以上の負の遺産が残ります。土地の取得費が高額だからといって除外した六本松九大跡地の方が、結果的には患者数が見込めるだけ赤字も少なくて済みます。次の世代のために作った病院が、彼らの重荷になるようなことがあってはなりません。
私どもは医師会や専門医会に所属するふつうの開業医です。医師会や専門医会を代表して異なる発言される先生もおられるそうですが、こども病院移転についてはほとんど議論する機会はありませんでした。医師会あるいは専門医会の一部役員の個人的な意見が、医師全体を代表しているかのように採られるのは心外です。こども病院の新築移転問題はいったん白紙に戻し、現場で働く専門医を交えもっと議論すべきです、福岡市は日本一、安全・安心・快適なお産が出来る都市づくりを目指して、より健康なこどもが育っていく環境をつくるべきと考えます。
有志一同
民間企業より高い福岡市の職員給与
人事委員会「差は極めて小さい。適当」の報告
福岡市人事委員会は11日、民間と比べて高くなっている福岡市職員の給与・特別給について、「改定を行なわないことが適当」と職員給与を据え置くよう吉田宏市長に報告した。
人事委によると、市職員の平均給与は42万6,490円。地元民間企業の平均給与は42万6,464円で、市職員が民間よりも26円(0.01%)上回っているが、委員会は「給与較差は極めて小さい。給与改定を見送ることが適当であると判断した」と報告した。据え置きは2004年に次いで2回目という。
民間平均、比較対象は「50人以上」
しかし気になるのは、民間給与の平均と試算されている42万6,464円である。いまどき平均40万円の給与を与える会社ばかりだとしたら、就職先を間違ったと後悔するサラリーマンは多いだろう。一般市民の感覚とはずれているのではないか。
市に民間給与の積算根拠を聞くと、「市内の事業所に50人以上の職員がいる」企業が対象となっているそうだ。職員50人以上の事業所は市内に825あり、その中から無作為に抽出した174事業所と比較しているという。
要するに、ニッポンを支える中小企業や個人経営者は無視されている。派遣社員やフリーターといった非正社員がこれだけ多くなっているご時世だ。「職員50人以上の事業所で正社員」はエリートに分類される。倒産や解雇というリスクを抱えている企業と同じに考えるのは、違和感を覚える。民間平均の基準を見直してみたらどうか。
市長談話
この報告に対して、吉田宏市長は談話を添えて発表した。
「報告の取り扱いについては、職員の勤務条件に関わる問題でもあり、関係職員団体とも協議しながら、国、県、他都市の状況等を参考にして、慎重に、かつ、誠意をもって対処する考えでございます」としている。
「誠意をもって」とは、誰に対する誠意か。職員か、それとも市民にか。本当に市長が書いたか疑わしい談話だが、曖昧な言葉が並ぶ。選挙時に市民と約束した「福岡市の財政再建」をどうするのか。市長はどちらを向いているのか。市民にわかるような談話をお願いしたい。
【豊田伸】
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