今年6月21日に就航した門司港と釜山港を結ぶ日韓フェリー「モジライン」が8月25日から運休している。
「モジライン」を運航するC&クルーズ社の鄭鼎敏(ジョン ジョンミン)社長が3日、北九州市役所で行なった会見によれば、就航船の「KCブリッジ」にエンジントラブルが発生。10月中にグレードアップした船齢の若い船舶を投入すると語った。
4年前、相次ぐ船体トラブルで信用をなくし、欠航してしまった日韓高速船「ドルフィン号」の二の舞が懸念されるなか、「早い時期に問題点が発見され、新船舶の導入によって集客力と利用者サービスが向上する」と関係者は見ている。
7月に行なった「KCブリッジ」に乗船した日韓利用客のアンケート調査によれば、「内装材の臭いがする。トイレの鍵がかからない。免税品等を購入できる売店がない。ゆったりできるラウンジがない。レストランのメニューが少ない。船員の接客教育が不十分・・・」など、様々な問題点が指摘され、特に韓国人利用者からの不満が多かった。
韓国政府の「先ず航路再開ありき」の方針に従って、中韓航路に就航していた老朽船を日韓航路に投入したC&クルーズ社の判断ミスと準備不足は否めない。また、国際化戦略の一環としてこれを受け入れた北九州市側にもチェックの甘さがあったことは確かだ。
10月中に就航する新船舶は、釜山と日本を結ぶフェリーの中で最大規模の約2万7千トン。揺れが少なく、快適で余裕のある船内空間が特徴とのこと。定員は約700人。船内施設はバルコニー付の特別室など、多様なニーズに応える豊富な客室タイプを揃え、エスカレーターや200名対応イベントホール、ゲームコーナー、免税店、コーヒーショップ、レストラン、コンビニ、カラオケルームなども充実させる。
週6往復の運航日程は変わらず、現在調整中の客室料金も大きな変更はないようだ。
【取材:森脇喜一】
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