佐賀銀行は佐賀での融資を減らしている。
シリーズ4回目の表を参照してもらい、佐賀銀行は過去3年間で佐賀県での融資を377億円減少させている。中小企業に対しては融資を423億円減少させているのである。減少率も県全体では5.6%の減少、中小企業向けは7.8%も減少している。これでは、地域企業育成の観点からは、何も考えていないことが明白である。佐賀県の経済は農業を中心としており、他産業の経済規模は小さいが、それでも空港があり福岡にも近い。既に鳥栖は、福岡経済圏に属しており、九州の物流の一大拠点でもある。
点を線や面に変化させるための経済振興は、財政面で厳しい佐賀県だけに依存するのではなく、佐賀銀行が佐賀県経済界のリーダーとして、積極的に関与しなければならない時期に来ている。そうした中で、中小企業に対して423億円もの貸し剥がしが行なわれるようでは、佐賀県の経済も先行き危ういものとなろう。その結果、佐賀銀行自らが地元で融資先をなくしていくことになる。
福岡では、(株)東峰住宅やアーサーヒューマネット(株)の売却に見られるように大胆な動きがあったが、その大胆さを佐賀県の中小企業育成のためにも使用すべきではなかろうか。
これまで佐賀銀行は、福岡で多くの企業を育成してきた。しかしここ数年、育成どころか守りに徹した動きとなっている。福岡での融資拡大については、福岡銀行や西日本シティ銀行に次ぐ3番手として金利を安くすれば、健全経営の企業が借り入れ、融資は一時的に拡大するであろう。しかし各企業にはメイン銀行があるので、融資の拡大はあくまで一時的なものでしかないのである。
地元佐賀県ではライバル銀行があるわけでもなく、佐賀県の№1企業として、地域企業と共に発展する佐賀銀行でなければ、佐賀県経済を疲弊させてしまう銀行になる可能性すらある。共栄を念頭に置いた舵取りをすべきである。
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