周知のように、石田柳川市長は、ピアス社問題で議会から連日追及をされていた最中であった。したがって、特別委員会設置の提案は、明らかに援護射撃と言えるものであった。こうした市長と議会・市民の対立および議会内の対立構図が問題を複雑にし、解決を遅らせていることも事実であろう。
しかし、複雑そうに見えても問題は単純である。なぜなら問題は、市長自らがこの土地取引に疑惑がある旨の発言をしたことに、端を発するからである。そこを双方が綱引きすることによって、議論が「発展」しているのである。
ところで、先の「有印公文書」が偽造された問題は、許可無く公印が押されているなら確かに犯罪の疑いがある。それはきちんと追及されねばならない問題である。
しかし、土地購入に際しては、すでに正規の手続きで土地購入依頼書などが決裁されており、土地購入に伴う公金横領、詐欺などとは決定的に違うのである。実害は出ていないのである。そのことは警察に事情聴取された当時の開発公社理事長(当時の助役)の話でも明らかである。当時の助役の話によれば、事情聴取で警察から質問されたのは、事件とは無関係の「石田市長の言動」であったとのことである。
そしてこの問題=旧柳川ホテルを巡る疑惑は、結局は「有印公文書偽造」で落着している、と言っていいのが現状であろう。
「市長公印の無断使用」は、件の職員1人によるものではなく、周辺の関係職員の介在なしには不可能である。とすれば、当時の市幹部の責任も当然追及されねばならない。同時に石田市長時代になってから問題の解決を遅らせているトップらの責任は重大であろう。
9月定例会での親市長議員からの質問は、前述の対立構図に対し、火に油を注ぐようなものであった。
「旧柳川市職員は能力がない」「働かないものばかりだ」という発言によって、同市職員に対する不信が広がっている。トップが責任をあいまいにすることで、批判の矛先が市職員に向けられているという悲劇的結果を生み出している。
こうした問題を解決する方法は2つあるが、ここでは述べないことにする。
つづく
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