《北九州から大分、宮崎を結んだ「東九州経済圏」を確立することが重要だ》
9月20日「空の日」を記念した、北九州空港の活用を考えるフォーラムが開催された。
福岡空港の新規建設や滑走路増設が議論されている中で、北九州側から見た北部九州の空港政策提言が注目され、多くの出席者で熱い議論が交わされた。
パネリストは下記5名。
戸町武弘 北九州市議会議員八幡東区選出・自民市民クラブ所属
永峰幸侑 北九州市立大学学生
井上秀作 北九州市議会議員小倉南区選出・自民市民クラブ所属
藤原利久 北九州市立大学大学院社会システム研究科 空港問題の専門家
水城四郎 福岡市議会議員・みらい福岡市議団所属
注目された発言内容をいくつかピックアップさせていただく。
戸町武弘:
北九州空港をもっと活用するにはどうすればいいかという課題ですが、北九州空港を使う目的が現時点ではまだ非常に限られています。大きな視点で考えるとまず北九州の景気をよくして、旅客や貨物の需要を増やしていくことが1番大事です。
末吉前市長は北九州の物流都市としてのポテンシャルが高いことに着目して、陸海空のインフラ整備に取組んできました。私は需要拡大のためには特に、北九州から大分、宮崎を結んだ「東九州経済圏」を確立することが重要だと考えています。
東九州自動車道を早期に完成できれば、食の安全が日本やアジアで注目されていることもあり、大分、宮崎など東九州からの豊富な農産物・水産物を、北九州を経由して、陸路、空路で大消費地の東京、大阪など本州へ、北九州空港からは中国、韓国、更に今後発展の可能性の高いベトナムやインドなど広くアジアに送り出すことができるようになると思うのです。その可能性が高いだけに、東九州自動車道が早期に大分や宮崎と結ばれることで、北九州空港の需要は大きく広がると思います。
永峰幸侑:
私は福岡市の出身で、今は北九州市立大学で学んでいます。これまで北九州空港を使う機会はなく、今日初めてこの新しい空港に来ました。バスで三萩野から来ましたが、空港へ渡る橋や空港ターミナルは非常にきれいでびっくりしました。今、福岡空港の新設・増設の議論が行なわれていますが、実際にこの北九州空港に来てみて、福岡空港の問題は単独で考えるだけでなく、福岡、北九州はひとつの都市圏として議論すべきだと思いました。
大きな費用のかかる公共事業で、将来の負担を担うのは私たち若い世代ですし、20年、30年かけて新しい空港を作ることに意味があるのかどうか、私には分かりません。学生団体も今、北九州だけでなく、福岡との交流を図っていますし、今後は大分などとも交流を広げていこうと考えています。今日の皆さんの議論をお聞きして、私は新福岡空港の建設には反対したいと思います。
狭い福岡一極集中の考え方から、広く九州全体の戦略を考えた方が、将来性が高いと思います。
続く
【取材 松尾潤二】
《イメージ失墜を嘆くだけでなく、「暴力団根絶への強い意志と具体的方策」を市長が先頭で打ち出してほしい》
事件後の9月20日も工場を訪れると工事車両や警察車両がひっきりなしに出入りしていた
先週のトヨタ自動車九州小倉工場への爆発物投げ込みや発砲事件の頻発で、市民生活が脅かされているが、北九州市のイメージ調査でも「治安が悪い」がトップになっている。
19日の毎日新聞からの引用になるが、イメージ調査の概要を紹介する。
北九州市は、市のイメージに関して実施したアンケートの結果を発表した。市外在住者から指摘される市の印象はトップが「治安が悪いまち」で、市が掲げる「環境都市」は6位、「アジアの玄関」は7位だった。相次ぐ発砲事件が響いたとみられる。アンケートの対象は市が募集した「市政モニター」に選ばれた150人。5月に調査用紙を配って記名式で実施。147人(98%)が回答した。
「市外の人から言われる市のイメージ」に関しては「芸術・文化都市」など17項目から順位を付けて3つを選んでもらった。
その結果
1位 治安の悪いまち
2位 工業都市
3位 鉄冷えのまち
4位 公害のまち
5位 通過都市
マイナスイメージが上位に集中し、「安全・安心なまち」は最下位だった。市企画文化局は「『発砲事件がよく起きている』という印象が市外で強いのではないか」とみている。【平元英治記者】
「工業都市」というイメージがマイナスかどうかは判断に迷うが、いずれにしてもプラスよりマイナスのイメージが先行し、企業誘致や住みたい町として住民の流入を図っていく上で、北九州市は大きな問題を抱えていることは間違いない。
先週のトヨタ工場での事件後、北橋市長も「市民や建設業界に多大な不安を与えており、強い憤りを禁じえない。市民社会に対する重大な挑戦だ」と述べ、「街全体のイメージが失墜することを憂慮している」と指摘している。
さらに市の対策として、建設業者に暴力に屈しないよう指導したり、毎年11月に開く暴追大会で暴力と対決する姿勢を示す考えを強調、その上で「市民の不安が高まっている。行政として何ができるか研究を進める」と市長は語った。
この北橋市長の発言はテレビのニュースでも報道され、記者も見ていたが、発言内容は全く同感であるが、市のトップとして暴力根絶に立ち向かうにしては、毅然とした強い意志が残念ながら伝わらない会見であった。
北橋市長のキャラクターかもしれないが、うつむき加減で淡々と語る口調が多く、本当に発砲事件などの暴力に対して怒りを感じ、絶対に許さないという意思が前に出ていなかったと思える。(こうした批評は主観が大きいので、他の市民の方がどのように受け取ったか分からない面もあるので、市長には失礼かもしれないが、より市民に市長の本当の思いが伝わるように、敢えて意見を述べたいと思う)
もっと喜怒哀楽を顔に出して、いいでき事があれば喜び、犯罪には怒り、犠牲には悲しみ、人間としての気持ちを伝えることで、北九州市民も「市長といっしょに戦っていこう!」と強い意志を持つことができるのではないだろうか。
また暴力根絶には、公害問題を克服したように、長期的で総合的な対策が必要となる。警察力による抑止だけでなく、資金源のストップ、暴力団関係者の正業への誘導、若年組員の再就職斡旋、貧困や差別から暴力団に走りがちな若者への予防教育など、取り組むべき課題は多い。警察は県の管轄になるので、今後より一層北九州市は、県といっしょに長期的で総合的な対策を練ってもらいたいと願う。
【取材 松尾潤二】
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