《8月30日一枝保育所で臨時保護者会総会が開催される》
福祉事業団から仙水町新保育所建築プランの説明が行なわれるが、これまでの説明と食い違う多くの内容が発覚した。
8月21日の保健病院委員会での陳情案不採択により今後の活動方針をどうするのか難しい状況に追いやられた一枝保育所の保護者や地域住民たちだが、8月30日に臨時保護者会総会が開催され、方針の検討が行なわれた。
保健病院委員会の審議結果が報告されたが、本会議の正式決定ではないため、保護者会としては、移転反対の立場を保持することになった。一方で、移転を強行された場合に備え、新仙水保育所についても、保育の質、通園方法、整備などについて考えていかなければならない時期にきており、新保育所に関しては、別窓口を設け、協議を行なうことを決めた。
保護者総会ではフリートークとなって、移転反対活動を積極的に行なっている保護者よりも、あまり参加されていない保護者から、保育課・事業団の説明不足に対する怒りの意見が多数だされたそうだ。
臨時総会に続いて、福祉事業団からの仙水町新保育所の建築プランの説明が行なわれたが、資料配布はなく、プロジェクターで説明は行なわれた(図面を配らないこと自体、やましいことがあるのでは、と疑ってしまうが)。保護者の方が撮影した画像を提供いただいたので紹介しよう。
保護者会の立場から、下記のような問題点が指摘されている。
(1)移転先の敷地の件について、これまでの説明では、植木を残すために利用面積が狭くなると説明していましたが、実は、あの土地すべてが、保育課管轄の土地ではないために利用できなかったのです。しかも、利用できない部分は、三角形の土地のとんがってない部分の、最も形が良く、利用価値が高い部分なのです。そのため、レイアウト中には、運動場と木々の間に、フェンスが設けられていました。これまで、そのような説明は、全くなかったので、驚くとともに、また、保育課にだまされたという思いです。この事実を早くから知っていながら、保護者に公表しない事業団の態度についても改めて、不信感を強く持ちました。
(2)これまで「車イスの子供を受け入れたい」と涙を浮かべながら、事業団が訴えていたのは、皆さんもご存知の通りです。しかし、本日公表されたレイアウトには、車イスの子供に配慮した設備は、全くありませんでした。当然、こちらが追及すると「何か方法を考える」とは、言っていましたが、「大幅なレイアウトの変更はしない」とのこと。事業団から、「保護者の意見を聞くためには、8月中に開催する必要がある」と、強く要請されたので、やむを得ず、急な開催決定したのですが、やはり、最初から保護者の意見など聞く気はなかったのでしょう。
(3)前々から、我々が予想していたとおり、遊戯室は、たいして広くならないレイアウトになっていました。(114㎡→128㎡・・・・・14㎡しか広くならない)つまり、現在地で毎年問題となる生活発表会時の小学生の入場制限についての問題は、移転先でも解消されないと思われます。 もちろん、保護者が縮こまってみれば、小学生もギリギリ入るかもしれませんが、これまでは、ゆっくり観れるようになりますと力説していたと思うのですが・・・。写真や寸法の入っていない図面を見れば、新しい施設は、魅力的に見えますが、これまで、彼らが主張してきた内容とは、大きく異なっていました。
保健病院委員会では保育課も福祉事業団も、今後誠意を尽して移転改築の説明を続ける、と言っていたが、どうも誠意の感じられない説明会だったらしい。
9月からの仙水町での建築着工が目前に迫っているので、保護者に説明したというアリバイ作りの方が大事な福祉事業団としては、これが精一杯のところなのだろう。
続く
取材 松尾潤二
「2008・国際ホタル・シンポジウム」が、先月30日、小倉北区の男女共同参画センター「ムーブ」で開催された。今年で3回目となるシンポジウムには130人余りの市民が参加。北九州市が環境モデル都市に認定されて以後、初めて行なわれる環境関連の国際シンポジウムのためか、昨年以上にマスコミの注目を集めた。
2001年に韓国ホタル研究会の会員40名が北九州市を訪れ、その後、市民団体によるシンポジウムが毎年行なわれてきた。06年以降は日韓以外の国からの参加者も加わり、「国際ホタル・シンポジウム」に発展した。一昨年はマレーシア、昨年は台湾からホタル研究者が参加し、今年は中国ホタル研究の第一人者である中国科学院昆明動物研究所の梁醒財教授が、中国におけるホタル研究の現況を報告した。
北九州市は、ホタルをシンボルにして、人や生きものにとって住みよい水辺環境づくりを進めるため、92年、建設局河川課に「ほたる係」を設置。市内では現在、約40団体がホタルの保護活動を行なっている。
02年には北九州市におけるホタル保護活動発祥の地・小熊野川の傍に「ほたる館」を開館し、毎月1回、市民講座「ほたる塾」を開講。現地調査や公開セミナーを受講した塾生は延200名にのぼり、ボランティアとして地域のホタル保護活動に従事している。
また、市役所の「ほたる係」では、ホタル育成助成金の交付やホタルアドバイザー派遣制度を設け、子供たちを対象にしたホタル・バスツアーなども支援している。
こうした北九州市の取り組みに関心をもった韓国側市民団体の働きかけで、両国の市民団体によるホタル・シンポジウムが開催されるようになった。
今回のシンポジウムで、発表にたった全国ホタル研究会名誉会長の大場信義氏は、日本のホタルのルーツに関する報告のなかで、「世界各地で調査を行なってきた結果、日本のホタルに極めて近い種が、特にアジアで多数発見された」とし、「国際的に協力しながら、ホタルが棲むような環境を保全・再生することを目標にしたい」と語った。
つづく
(取材:森脇喜一)
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