《ピアス社跡地問題》
ピアス社跡地問題については、過去10数回に亘って書いてきた。しかし今尚この問題は解決を見ることが無い。「堂々めぐり」「過去のほじくりかえし」と親市長派議員は主張しているが、この問題についての基本的な認識や解決に向けての方針が明確な形で出ていないから議論が永遠に続いている。これが現実だろう。
市長周辺をめぐるいろいろな噂が駆け巡っているのも市長自らが明確な意思表示をしていない、と議員や市民にうけとめられているからであろう。
9月議会で、O議員の一般質問で明らかになった不動産鑑定会社からの証言は今後の解決に向けての材料になる可能性が生まれてきた。同時に、これに対する市側の態度いかんによってピアス社跡地問題がさらにねじれたものになる可能性もある。事実経過や現状認識について議会多数派と親市長の間での違いはあるものの、跡地が「塩漬け」どころか「アスベストまみれ」「土壌汚染まみれ」で柳川市の活性化にとって大きな支障をきたしていることである。
この現実に対する現状の危機意識が本当に共有化できているのかどうか。トップにその意識があれば解決へ向かっていくことになろうが、これまでの議論ではそこがどうもスッキリとしていない。ここに不信感が生まれてくる原因があるだろう。問題解決に向けては、その前提として情報をすべて速やかに公開していくこと。ここから始めるべきであろう。信頼を取り戻す努力をトップが自ら示すことで解決への途が開かれる、とだけ指摘しておきたい。
26日の議会終了後、この問題で全協が開催される。ここがひとつのポイントになってくる。調停への対応をどう構えていくのか、市側の明確な対応が求められている。同時に開会中の「ピアス、全日本同和会補助金、旧柳川ホテル」の特別委員会の議論の推移もからみながら、そして来春の市長選挙も射程にいれた攻防になっていく。議会と執行部が本気になって解決の途をさぐる議論になっていくのか、議論の進展と水準が求められる。
9月は、ピアス社と「有印公文書偽造」だけに明け暮れたわけではない。登壇した13名の議員は、農漁業、防災、医療、少子化問題、観光振興、企業誘致など真剣な提起もあったことを柳川市民と議員の名誉のためにも言っておかなくてはならないだろう。
それにしても、議会開会中の休憩時間に、ある現職の職員が私に言った言葉が耳に残る。
「市長はボタンのかけちがえだ。ここからおかしくなった。」