「公約違反だ」「これ以上市政運営を任せられない」などとして24日、市議会で吉田宏福岡市長に対する市長不信任決議案提案された。賛成少数で否決されたものの、市議会関係者は「不信任決議は過去に聞いたことがない」という。市長の求心力低下は免れない事態となった。
この日の本会議冒頭、共産党の宮本秀国議員が不信任決議の緊急動議を提出した。提案理由については「こども病院人工島移転は重要な公約違反だ」や、「大型開発を見直すとしておきながら福銀が市長の支援団体のパーティ券を購入し、誕生日に財界幹部と飲食するなどしたうえ、大型事業を推進している」「聞くことが政治姿勢そのものとしておきながら、こども病院の問題で市民の声を聞く姿勢がない」などと厳しく指弾した。
市長不信任案に対する反対討論には、市長の身内である民主党ではなく、市議会野党の自民党・光安力議員が登壇。「市長の進め方は全面的に支持するものではないが、こども病院の問題は喫緊の課題。我々のアンケートでは83%が人工島移転反対だったが、それは単独移転についての反対だ。よって市民病院との統合移転を決議する」などと市長案に反する市民病院との統合移転を前提とした主張で援護射撃をするという、極めて分かりにくい構図となった。結局、市長の不信任決議案は否決された。
市長は、「統合移転」という条件を付けた自民党に擁護された格好となり、今後、自民党に頭が上がらない「操り人形」となるのは必至だ。それにしても、最後の最後まで茶番が繰り広げられた、ある意味歴史に残る定例市議会だった。