《役人以上の「はぐらかし答弁」で保護者・一枝住民の声を徹底無視》
9月22日の北九州市議会決算特別委員会で、一枝保育所移転問題について質疑が行なわれたが、北橋市長はこれまでどおり、保育課と全く同じ説明を繰り返し、保護者・一枝住民の意向を無視して移転を強行する方針を打ち出した。
共産党の井上真吾議員が、
「2回の陳情が不採択になっても一枝保育所の保護者や住民はまだ移転方針に納得できず、3回目の陳情を提出し、移転見直しを願っているが、市長として、当事者である保護者や住民の納得が得られていると思っているかどうか」と問い質した。
これに対して北橋市長は、
「これまでに保護者説明会、住民説明会を繰り返し行なっており、移転の意味を十分説明している。自分も現地を見たが、600mほど離れたところに移るけれど、住宅地からの距離は、戸畑区の保育所の場合とほぼ同じであり、広い市有地が利用できるようになるので、子ども達の保育環境が良くなると判断した。今後、福祉事業団とともに市は移転を進める」と明言した。
井上議員の「住民や保護者の理解は得られていると思うか?」という質問には一切答えず、保育課と福祉事業団がアリバイ的に行なった説明会の回数とただ広くなることが子どもの環境に良いというノー天気な答弁であった。
保護者・住民は、保育所が広くなるよりも、今の自然に恵まれ、通園条件のいい場所であることを優先して欲しいと願っているのに、北橋市長は「子育てには面積が広ければいい」と耳を貸す姿勢を全く見せなかった。
この日の決算特別委員会では他に、自民党の吉田通生議員が、本年2月議会で生活保護費補正予算7億6,000万円を計上したにもかかわらず、実際は予算を使うことがなかったことや、生活保護予算について「国からの補助割合が4分の3で、更に残りの4分の1も70%が地方交付税で、市の負担分が非常に少なくて済む」という以前の北橋市長の説明が、実際の負担率と異なることについて、市長に対する責任追及がなされた。
しかしここでも議員の質問に対して北橋市長は正面から答えることなく、役人の作った以前と同じ文書を読み上げるだけであった。
役人が作った政策に頼らざるを得ないためか、批判的議員からの本質的な問題追及には、役人が作った文書を読み上げ、役人以上の「はぐらかし答弁」で受け流している北橋スタイルが見事にこの委員会でも露呈されていた。
表面(おもてづら)のハートフル政策とは裏腹に、歳出カットで実際の子育てや老人福祉政策では、北九州市が後退していることは間違いない。
「きれいな言葉が多く並ぶばかりで市民を欺く、実体のないハートフルHeartful政策」は、むしろハームフルHarmful(有害)ではなかろうか。
*尚、Heartfulという英語は日本語英語で、正しい英語ではない。
本当に北九州市の将来や市民のことを心配して質問を投げかける議員に対して、中身のない役人答弁で何も問題がないかのように答える北橋市政では、議員も市民も浮かばれないだろう。