人工島にこども病院を移転させるという、おろかな施策を強行する福岡市の吉田市政。人工島の土地を市の3セク博多港開発(株)から購入するために、約47億円の税金を投入する。
人工島の土地の単価は場所によってまちまちであるが、こども病院移転用地については1m2あたり13万3,900円が基準となる。その根拠となるのが博多港開発が作成、融資銀行団に提示した「アイランドシティ基本事業計画書」である。この中で、土地の処分計画には、用途別に「基準単価」が明記されている。「病院用地」の当初の基準単価は13万円だが、土地の熟成度が上がるとして07年度からは13万3,900円とされている。(参照)福岡市などが公表してきた1m2あたり約14万円などとする数字はここからきている。
博多港開発と融資銀行団との契約では、開発側が土地を処分する場合、この基準単価の80%を下回らないことを条件とすることが明記されている。言い換えれば13万3,900円の8掛け、10万7,120円でもいいことになる。移転用地面積35,000m2で計算すれば、基準値通りの場合46億8,650万円、8掛けの場合だと37億4,920万円になる。差額は実に9億4千万円近くに及ぶ。契約書に従い、基準単価の80%でよかったのではないだろうか。
使われるのは税金なのである。土地の購入価格を抑えるのは、市役所の義務でもあったはずだ。吉田市長は、市民に負担を強いることに何の躊躇もなかったということになる。しかし、土地の取得単価は下げられるどころかいつの間にか水増しされる。
つづく