(株)原弘産
迫りくるXデー
■不動産販売(福岡)/(株)ディックスクロキ
ジャスダック上場 民事再生法適用申請 負債総額 181億3,148万円
代 表 : 板倉 雅明
所在地 : 福岡市中央区高砂2-11-11
設 立 : 1991年3月
資本金 : 3億5,002万円
年 商 : (08/3)268億146万円
11月14日、同社は福岡地裁に民事再生法の適用を申請し、同日監督命令および保全処分命令を受けた。申請代理人は伊達健太郎弁護士(伊達法律事務所、福岡市中央区大名2-4-30、電話:092-714-2000)ほか6名。監督委員は金子龍夫弁護士(金子法律事務所、福岡市中央区赤坂1-6-11、電話:092-712-0070)。負債総額は181億3,148万円が見込まれる。
■不動産・製材(大分)/(株)ホンダアルファ都市開発
焦げ付き 民事再生法適用申請 負債総額 16億334万円
代 表 :本多 清利
所在地 : 大分県宇佐市大字森山1721-1
設 立 : 1985年7月
資本金 : 3,000万円
年 商 : (08/3)約30億8,000万円
11月13日、同社は大分地裁中津支部に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は山本洋一郎弁護士、菅野直樹弁護士(弁護士法人山本法律会計事務所、大分県中津市豊田町3-7-4、電話:0979-24-4321)。負債総額は16億334万円が見込まれる。
■総合建設(東京)/勝村建設(株)
【続報】民事再生法適用申請 負債総額 約49億5,700万円
代 表 : 山田 一二
所在地 : 東京都台東区浅草橋4-19-8
九州支店 : 福岡市博多区博多駅東1-9-5
設 立 : 2006年7月
資本金 : 9億円
年 商 :(07/9)199億3,278万円
弊誌11月3日号「モルグ」にて既報の同社は、11月11日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は栃木義宏弁護士(栃木・柳澤法律事務所、東京都港区虎ノ門1-22-13、電話:03-3580-1331)ほか1名。監督委員は北河隆之弁護士(メトロポリタン法律事務所 、東京都新宿区新宿2-8-1、電話:03-3356-7618)。負債総額は約49億5,700万円が見込まれる。
■ディックスクロキ破綻の衝撃
ディックスクロキの黒木透氏 果たした役割とその限界
10月27日夕方、天神の福岡国際ホールで在福宮崎県人会が開催された。東国原宮崎県知事も出席し、会場は華やかな雰囲気に包まれていた。しかし、ディックスクロキの黒木透会長は沈んだ印象を与えていた。「宮崎県特別大使が暗い気分でいたら県人会の華やかさが失われますよ」と声をかけた。この時点で黒木氏は、不動産売却の計画が遅々として進まないことに対する心痛のあまり、世間体を繕う余裕を失っていたのであろうか。
○予想だにできない 金融恐慌に翻弄され倒産
○裸一貫での成功に 共感を得る
○上場に先鞭をつけたトップランナー
○マリアクラブ跡地の処理が飛躍の要であり、また破綻の要因を内蔵
○3年分の市場を先食いしたしっぺ返し
■ディックスクロキ破綻の衝撃
2003年がターニングポイント 選択した道はハイリスクを内包
11月14日、不動産販売を手掛ける(株)ディックスクロキが民事再生法を申請した。地場有力企業と目されるまでに成長を遂げた同社だったが、最終的に大量の不動産を抱え込み行き詰った。ここでは同社が成長し破綻するまでの道程を検証する。果たして同社が選択してきた道は誤りだったのか?
○東京進出への想い
○2003年が大きな分岐点
○非住居系へのシフト
○大規模開発へ傾注する
○不動産管理で逆ザヤに
○不動産処分を断行したが
○ディックスクロキの選択
■ディックスクロキ破綻の衝撃
結束力が強かったDIX協力会 先行き不安から求心力に翳りも
11月14日に民事再生法の適用を福岡地裁に申請し、同日受理された(株)ディックスクロキ。同社の物件工事を支えてきた「DIX協力会」は21社あり、強い結束力を誇っていた。しかし、今春あたりからその求心力には翳りが見え始めていた。
○施工上の仕様・規格の統一と技術向上を目的に発足
○結束力の強かった協力会に動揺をもたらした市況急変
○工事受注の減少にともない協力会自体の求心力も低下
■ディックスクロキ破綻の衝撃
相次ぐ新興デヘロッパーの破綻 金融収縮と需給バランス崩壊
アメリカのサブプライムローン問題が表面化した07年7月以降、外資系投資ファンドの不動産市場からの撤退が始まった。その資金に依存していたデベロッパーは、数少ないファンドにすがりながら開発を続けた。しかし、経済状況が急変するなか、物件が完成しても購入資金を調達できなくなったファンドが引き取らない状況に陥り、デベロッパーは資金繰りができず破綻が相次いでいる。こうした状況は、投資ファンドがその資金を国内外の機関投資家に依存しており、機関投資家が世界的な株価下落で一挙に手仕舞いしたことにある。
○淘汰の時代に
○梯子を外される
○完成在庫の山
■ディックスクロキ破綻の衝撃
不動産業に対する金融機関の融資スタンス
不動産業に対する金融機関の融資スタンスについて語る場合は、歴史を少し遡る必要がある。1979年の譲渡性預金が自由化された金融自由化によって、製造業を中心とした優良大企業が銀行離れを起こしたため、金融機関は不動産業向け貸出に傾斜していくこととなる。
○本格化した不動産融資
○不動産業向け融資に特化した大手金融機関の破綻
○ディックスクロキ倒産の背景