《戸畑区の市議会議員が理事長を務める福祉法人が、一枝保育所隣の三六保育所の民間委譲を受託した。これはいったい何を意味するのだろうか?》
保育課と福祉事業団は、11月5日に九州工業大学横の仙水町で「(仮称)一枝保育所新築工事」安全祈願祭を行なうなど移転強行の構えだが、その動きと合せて注目すべき保育行政の動きがあった。
一枝保育所に隣接する「三六保育所」が、戸畑区選出の後藤俊秀議員が理事長を務める「いわき福祉会」に民間委譲されることになったことである。しかも同じ戸畑区選出で俊英議員の兄の後藤雅秀議員は、保健病院委員会の委員を務めている。
これまで後藤雅秀議員は、2回にわたる保健病院委員会での一枝保育所の陳情案審議に際して、1回目は採決の際に退出、2回目は欠席と何故か一枝保育所の関係者が審議を見守る中、不思議な態度を示してきたが、今回の三六保育所の「いわき福祉会」への民間委譲決定を聞くと、保育課との関係で微妙な立場であったことが推察される。
「いわき福祉会」自体は、地元で病院・高齢者施設運営で実績のあるグループであり、民間委譲に当たって審査評価に疑問はないが、保育課の進める一枝保育所移転に対して地元から反対陳情が進んでいる中、地元戸畑区選出議員が保健病院委員会で態度を曖昧にしてきたことと関係があったのではと、疑問を持たれても仕方のないことではなかろうか。
保育課も「一枝保育所移転を強行するため、バーターで三六保育所の民間委譲を地元議員の関係する福祉法人に決めた」と疑われないように、この経緯をきちんと説明する必要があるのではないだろうか。
また今後予定される一枝保育所陳情案の第3回の審議にあたって、後藤雅秀議員は、自分の意見を明確に保健病院委員会で説明する義務があるだろう。
年明けには市議会議員選挙が待っている。こうした役所と議員の関係を、戸畑区の有権者はどのように判断するのか注目したい。