福岡の水道料金は高い。その原因は何か…?
渇水に悩まされ続けてきた福岡氏は、まず大事業となった筑後川からの導水に成功、その後新設された篠栗の鳴淵ダムからも導水している。しかし福岡市は巨大ダムを有しておらず、複数のダムから供給を受けているのが実情である。それでも増え続ける人口分を賄わねばならない。当然渇水時にも対応できる水供給ラインが必要となってくる。現在も五ヶ山ダム(那珂川)と大山ダム(日田市)を建設中である。そのためコストが全国一高くつく結果となっているのだが、なぜかさらにコストの高い海水淡水化施設まで有している。
このような背景から、水道関連施設の建設コストや維持管理費用が莫大となっている。一方水道水は福岡市内の至る所で漏水してもおり、漏水によるサンドブラスト現象からガス管が破裂する危険性が高まってきている。そのため2009年度から16年度までに36億円をかけて、ガス管と水道管とが交差する1万2,000ヶ所の地点に施設されている水道管を現在の鉛管から塩ビ管に交換するという。
ダム建設や維持管理費用等を調達するため、市債が4,780億円発行されている。市債残高が2兆5,721億円(2008年度見込)であるため、同残高に占める水道事業費の割合は18.6%となる。水の需要と(渇水時にも対応した)供給のバランスが取れれば、新規開発費は減少し、徴収された水道料金から市債の償還に廻すことができる。ところが、新たに水インフラを進めれば、水道事業のための市債発行高は減少するどころか増加することになる。その結果、今でさえ全国一の水道料金がさらに高くなる。
福岡の水は美味しくないと言う人もいるが、その原因は、福岡市は水の最終処理が塩素と活性炭などによって行なわれており、オゾンなどにより塩素臭を分解させる高度浄水処理が行なわれていないことにある。そのようなことをすれば、水道料金はさらに高くなる。
▲福岡市水道局ホームページから