通常国会開会を前にした4日、永田寿康・元民主党衆院議員(39)の自殺が衝撃を与えた。
永田元議員に政治的に抹殺したのは、いわゆる「偽メール事件」である。2006年、現職議員だった永田氏は、質問に立った衆院予算委員会で、堀江貴文ライブドア社長(当時)が送ったとされるメールについて追及した。その内容は、自民党・武部勤元幹事長の身内に送金を指示したとされるものだったが、後になって「偽メール」だったことが判明。永田氏が議員辞職に追い込まれただけでなく、当時の民主党・前原誠司代表も引責辞任に追い込まれた。
議員辞職後、永田氏が事の詳細を語ることはなく、政治家としての説明責任を十分に果たしたとは言い切れないままだった。しかし、一番の問題は、「偽メール」を永田元議員に渡したとされる人間である。
これだけの問題を引き起こしながら、なんら責任を取っていない。何のための偽メール作成だったのかさえ明らかにされていない。
永田元議員は、議員辞職後、父親の地元・福岡で政界復帰を試みたようだが、事件の後遺症は思った以上に深かった。民主党関係者からの拒絶反応は強烈だったといわれる。
政界だけでなく、人生そのものにも自らの手で幕を下ろした永田元議員。きっかけを作った人間が何の追及も受けないというのはどう考えてもおかしい。永田氏を自殺に追いやった元凶は、今どのような心境でいるのだろうか。