アーサーヒューマネットに対する債権処理問題
佐賀銀行は、09年3月期の決算予想として営業収入468億円(前期比1.6%増)、当期純利益25億円(同67.5%減)と発表した。利益の少なさから、アーサーヒューマネット(以下、アーサー社)に対する債権処理についての問題が浮上している。
この1年間に同行が発表した大口不良債権は、アーサー社に対するものだけ。どれほどの損失が発生したかは不明だが、同行が08年12月25日にリリースした「不良債権発生のおそれ」では42億2,900万円の貸付金があるとしながらも、すでに引当金等で全額保全済みとしている。
08年9月末、佐賀銀行の主導下にあったアーサー社の営業権が、資産と債務を均衡させた状態で穴吹興産(正確には子会社のあなぶき興産九州)に0円で売却された。そこで、保全措置がいつ取られたか08年9月中間期の決算資料を調べたが、アーサー社に対する融資の引当金計上については何ら説明がなかった。
調べていくうちに、同行の不動産業に対する貸付金のリスク債権が、08年3月末から09年9月末にかけて28億500万円増加していることが判明。しかし、リスク債権は期中増減するため、アーサー社に関する引当金の実際の数値は把握できなかった。