なぜ?再編されたアーサー社が破綻処理
03年9月、アーサーホームが会社分割される前の借入金は110億円、うち68億円を債務免除してもらうという私的整理ガイドラインに基づき、会社整理が行なわれた。マンション開発等の現業部門は、子会社でマンション管理業のアーサー社に事業譲渡された。当然、佐賀銀行の主導下で実行されたものである。
そのため、アーサーホームには不良資産である不動産が残った。しかし、これもほとんど同行がバルクセールにより処分(銀行が担保設定物件を超格安で第3者に売却)したため、アーサーホーム自体で処理する資産は少なかった。当然、債務免除されていることから不良資産も無くなっていたが。
どうして佐賀銀行は、03年10月に再編させたアーサー社を、約44億4,000万円の不良債権まで発生させて処理したのだろうか、謎である。同社の経営陣は自主再建を図っていたが、再建させるためには資金的な面倒を見る必要があり、このことに嫌気がさした佐賀銀行が、今期になって同社を売却する方針に切り替えたと思われる。アーサー社の処理については、同行がなりふりかまわず債務カットまでして穴吹興産に売却した。
同じような運命を辿った東峰住宅の前例からして、これは既定路線であったのかもしれない。東峰住宅やアーサー社の再建路線は、佐賀銀行の旧経営陣がレールを敷いている。しかも、同行の現経営陣には事なかれ主義者が多いと聞く。市場を強化すべき福岡支店も、支店長が役員では無くなっているのが実情である。
アーサーホームに対するこれまでの経過などを考慮せず、一度は再建方針を打ち出したものの、急な方針転換をするようでは、通常取引先もついていけないのが実情であろう。佐賀銀行の現経営陣での経営では、如何なる舵取りも難しいと言わざるを得ない。