福岡のある物件で、指名競争入札が行なわれた。予定は約13億円。設計側は「10億円少し切れるくらいで入れば御の字」と考えていた。入札したゼネコン3社のうち、A社、B社は予想価格で入札したが、C社はそれを2割も下回る価格で入札してきた。
「C社は安値受注が増えていると聞いていたが、これはひどい。下請業者も半分以上が拒否反応を示している」と設計者は嘆く。
破綻した高松組の安値受注は有名だが、それでも多くは最低価格の1割引だった。下請業者が不安を覚えるのも無理はない。また、こうした過当競争に拍車をかけているのが、施主(オーナー)側の「安くできると言っているからいいではないか」という意識のようだ。
「オーナーの皆さん!目を覚ましてください。もはや安値受注のゼネコンには下請業者はついていきません」と思っている設計者は多いのではないだろうか。
【大根田康介】
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