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高松組特集

【緊急座談会】高松組破綻を徹底議論 波紋広がる地場建設業界の行方(4)
高松組特集
2009年5月26日 08:00

<破綻後の処理>

 ―高松組の破綻によって、まず最初に気になるのは連鎖倒産の可能性です。現時点では10社程度の連鎖倒産・廃業が見込まれていますが、その点はどうお考えですか。

 緒方 業態が少し違いますが、対照的なのはディックスクロキです。銀行返済の20数億円を一度飛ばして、業者への支払いを優先し、業者の債権額を少なくして倒産しました。今回の高松組のように、金融機関から資金調達の目処があったにもかかわらず、業者への支払いができないというかたちで閉じてしまったとなると、業者側へのダメージは大きく、当然連鎖も出てくると思います。

 石崎 今回初めて取引をして、3月か4月に物件が完成し、その支払いが15日だったという業者がありました。先ほどの話のように、業者に対する支払いがピークの時期だと思います。そのときにあえて潰してしまうというのでは、最も重い負担を業者に負わせることになってしまうでしょう。高木工務店の場合も支払いをかなり延ばし、それで業者も大きな影響を受けました。それでも業者に対して払おうという姿勢を見せた分まだマシで、今回はそういうものがまだ見えません。連鎖も懸念されるし、タイミングや手法など、疑問が残る破綻だと思います。

 鹿島 今回は影響が大きいということを、いろんなところから言われます。様々な視点から言われているのですが、業者が影響を受けるという話が一番多かったように思います。今回はかなり連鎖が出ると見ています。4社5社、あるいはそれ以上の数を見越しているところもありました。戦々恐々として、非常に深刻に受け止めているところが多いのが現状です。

  売上高が17億ほどで、今回の件により1億ほど焦げ付くのではないかという業者があります。息子さんを後継者とする予定だったようですが、今回の高松の焦げ付きで廃業を決断する可能性もあります。余力はあるので不渡りまでは出さないでしょうが、被害は甚大と言わざるを得ません。

 ―生コン商社にも大きな影響が出そうだとの話も聞かれます。

 緒方 生コン商社の場合、利益はせいぜい3%、平均すると1.5~2%しかないのですが、最近では売り上げの投げ合いをよくやっているそうです。例えば、高松組の仕事と九州建設の仕事があるとして、高松組の場合にはA社が頭でB社がその下、九州建設の現場ではB社が取引窓口でA社がその下に入るといった具合です。売り上げ減少のカバー策らしいのですが、こういう投げ合いをしていると、大型倒産に容易に巻き込まれ、複数業者が共倒れということも起きるのではと懸念しています。

 ―ところで、高松組が現在手掛けている工事はどうなるのでしょうか。工事保証が取れていない案件もあるとの話も聞かれますが。

 石崎 15日当日に、私が確認したのは1物件だけですが、この物件は松本組が工事保証に入っていました。そこには同日の夕方に高松組の責任者が訪れ、「あとは松本組と話を進めてください」と伝えてきたそうです。松本組には了解を取っているとのことで、きちんと工事保証の契約を結んでいるため現場の事後処理はスムーズに行くと思います。
 地鎮祭が終わったばかりで、支払いなども残っているケースであったため、問題なく移行できるでしょう。ただし、高松組の受注価格が非常に安いので、保証をしてくれるところがないという状況は今後出てくると思います。他の現場を含めて、現状で挙がっているのは松本組の名前しかなく、頼めるところは限られていたのでは、と感じています。

(つづく)

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