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高松組特集

【緊急座談会】高松組破綻を徹底議論 波紋広がる地場建設業界の行方(6)
高松組特集
2009年5月28日 08:00

<銀行はもう金を貸さない>

 ―金融機関は高松組を破綻懸念先とまでは見ていなかったとの話が出ましたが、実際には高松組の動きが止まってしまいました。これが引き金となって、福岡の地銀は地元建設・不動産業界の両業界にさらにお金を出しにくくなります。銀行がこの業界に金をお貸さないとなると、経営者としてはどうしていくべきでしょうか。

 鹿島 ゼネコンの破綻がしばらく続いたときに、最初の頃は競合他社の倒産ですから自分のところに良い影響が出るかもしれないという雰囲気がありました。しかし、ここに至って金融機関の締め付けが厳しくなり、今回の破綻劇も自社のことのように受け止めるゼネコンが多くなりました。すでにこれまで金融機関とのつば迫り合いは経験しているのでしょうが、借入比率が多いところは破綻の予備軍になってくると思います。
 とはいえ、金融機関に依存しないでやっていけるのかということが、地元企業にとっては課題となります。

  銀行シャットアウトという意味ではなく、銀行が頭を下げてくるような形を含めて、ゼネコンを経営していくやり方であればどういう例がありますか。

 鹿島 アルシスホームがなぜ、自分のところで事業主体になったのかというと、一つはこういう厳しい業界環境のなかで、デベロッパーの台所事情の影響を受けたくないということでした。ある程度のリスクを覚悟しても自らの責任で結果を得る、という決断をしてこの分野に出てきたのです。事業としての計画性を立てながら借入金にどっぷりと浸かるのではなく、必要なものを必要なときに借りる。付き合う金融機関の見直しなどの取り組みのなかで、ここの場合は適正な借り入れで廻しているようです。

 緒方 銀行折衝の難しさや苦しさに嫌気が差したという話がありましたが、基本的には金融機関に生殺与奪の権利を持たせるところまで行ってしまってはダメだ、ということだと思います。ビジネス上借り入れが必要な業種というのはありますが、ある一定の線を越えてしまうと主導権を金融機関に取られてしまい、環境が変わったときにはどうにもならないということになるので、いかにその範囲内にとどめて影響力を排除しておくかがポイントでしょう。
 建築請負というビジネス自体が、決められたかたちのものをいかに上手に安く作るかという、エンドユーザーに対して新たな付加価値を生み出すビジネスではありません。建設業界全体として市場が拡大していた高度経済成長期のような時代であれば、デベロッパーなどがビジネスにエンドユーザーの付加価値を作っていき、請負業社も一緒に拡大し利益も取れていました。しかし逆に縮小局面になると弱さが際立ってしまいます。付加価値を作り出していくようなビジネスの試行錯誤を直接にはやってきていないので、非常にもろい感じがしますが、裏を返せば、ここを補うことができた会社は生き残ります。

 ―短い時間でしたが、高松組の情報を含め様々な話が出ました。マンションの請負だけではやっていけない、そのなかで会社がこの先繁栄していくための参考になる例もあったように思います。一昨年、あれだけあった現場のクレーンが、いまや数えるほどしかありませんし、PFIも芳しくありません。これにより、どれほどの業者が疲弊していることか。
 とはいっても、福岡にはまだ九大・箱崎などの再開発といろいろありますし、全九州で見ても仕事はあります。今のうちに業態転換を図って、生き残りを模索していく必要性なども痛感させられた座談会であったように思います。

(了)

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