検察が狙う民主党への新たな国策捜査
絶体絶命の麻生首相に2度目の「神風」は吹くか
国会は重要法案の審議がほぼ終り、焦点は解散時期をめぐる攻防に移った。
麻生首相に与えられている選択肢は限られている。国会の会期は「7月28日」まで1カ月あまり残っているものの、解散は天皇の国事行為であり、天皇、皇后両陛下の外遊日程(7月3日~17日)を考えると、事実上、「7月2日までの解散→8月2日投票」か、「7月下旬解散→8月30日投票」に絞られつつある。
総選挙の前哨戦である東京都議選(7月12日)前の解散に踏み切るか、都議選の結果を見てから解散するかの選択だ。
どちらを選ぶかで、首相を取り巻く状況はガラリと変わる。
麻生首相が解散を引き延ばして都議選に突入すれば、
「都議選大敗なら、首相の責任問題。8月に総裁選を前倒しすることになるだろう」(町村派の山本拓・元農水副大臣)
と、自民党内で”麻生おろし”の声が高まり、総裁選前倒しによる首相交代論が勢いづく。すでに山本氏の『総裁選前倒し実施を実現する会』には70人以上の署名が集まっている。その大勢は、「都議選の結果にかかわらず麻生首相では戦えない」と、何が何でもクビをすげ替えようと機会を待っている勢力だ。
そうなると麻生首相の解散のチャンスは都議選前しかないが、本人は「勝てない博打はしねぇ」と、またしても決断を先送りの構えだ。
<「首相抜き」の内閣改造談合>
それは自民党の終焉を予感させる光景だった――。
「ここは改造で乗り切るしかないだろう」
鳩山総務相の辞任騒動のさなか、自民党では麻生首相の後見役である森喜朗・元首相の”鶴の一声”で派閥領袖たちが会合を重ね、内閣改造に向けた人事を話し合っていた。
現在、麻生内閣には”酩酊会見”で辞任した中川昭一氏と鳩山前総務相の2人分の大臣ポストが空席になっているが、改造の柱は、細田博之・幹事長と河村健夫・官房長官の交代だった(舛添要一・幹事長、与謝野馨・官房長官、町村信孝・蔵相…)
森氏の意を受けた町村派会長の町村・前官房長官が津島派会長の津島雄二・元厚生相と会談したのを皮切りに、各派の調整で改造内閣の骨格が固まっていった。
「幹事長は選挙の顔。地味な細田では応援要員にはならない。西川問題を収拾できなかった河村も官房長官失格だ。人気のある舛添を幹事長に抜擢し、3大臣兼務の与謝野は補正予算が成立すれば景気対策も一区切りつくから官房長官として閣内を仕切ってもらう。かわりに幹事長ポストを明け渡す町村派から町村さんを財務相に起用し、舛添の後任の厚生労働相には甘利明・行革相の横滑りさせるなど、各派の領袖たちが大臣ポストの配分を進めている」(町村派幹部)
内閣改造といっても、起用された大臣の在任期間はせいぜい総選挙までの1~2カ月で、何の政策にも取り組めない。だが、選挙が厳しいベテランほど、箔をつけるために現職大臣の肩書きが欲しい。
派閥領袖たちは鳩山辞任を好機と見て大臣ポストの談合をしていたのである。
~つづく~
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