200年住宅・HABITAで新しい日本の住文化創出に挑む
欠かせない地元企業の力
―地元企業の大切さを三澤代表は訴えておられますが、なぜですか。
三澤 家というのは、東京や大阪から来た業者任せにしてはダメだと思います。なぜなら、担当が転勤していなくなってしまうからです。これは、アフターサービスやメンテナンスの問題ですね。その点で、やはり地元の企業が良いと思います。元気なところもたくさんありますから。そういう意味では、大手ハウスメーカーも本当に成功しているかどうかはわかりません。
やはり、住宅産業はパイが大きいのです。だいたい60兆円で、裾野を含めれば4倍くらいになると思いますが、1社だけで解決するには難しい問題が多すぎるのです。だから、ひとつの考え方で、かつグループでやらなければ成功しない産業だと思います。
それは宇宙開発や原子力開発、海洋開発もそうだと思います。典型的な出来事が、アメリカのアポロ計画でしょう。もともと1社でやる予定が、入札する企業がなく、結局は約2万社が参加することになりました。
未来的な仕事というのは、すべてそうだと思います。だから、地元企業がやれば良いというのも、ある程度グループ化する一方で、研究開発機関は東京にあった方が良い。そういうシステム工学というかシステム産業にしていく必要があるでしょう。ネットワークの構築が問題の解決につながると思います。
―デフレ対策で建築費を削減するというお話がありましたが、どのような方法で実現するのですか。
三澤 世界標準というもので世界で基準を決めると、ものが安くなります。ガラスもアルミサッシも中国製のものが使えれば3分の1になります。日本は尺計算ですから、30.3cmで3mmにこだわるわけですよ。インチの国では30.5cmで5mmあるわけです。中国は30cmで割り切っています。
去年、北京である会合があり、日本、中国、ドイツ、アメリカの学者が集まって30cmに決めようという話が出ました。そういう意味で、「HABITA」の場合は柱が15cmで、梁は30cmです。
片方でグローバル化、もう片方で地産地消など、課題はたくさんあります。
【大根田康介】
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