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民主党福岡市議 「アンケートはがき」のお粗末
社会
2009年7月21日 08:00

 民主党所属市議らで構成する福岡市議会の会派「民主・市民クラブ」の議員が配布した市政報告には、こども病院人工島移転に対する都合の良い解釈が書き連ねられていた(同様のものは「民主・市民クラブ」のホームページにも紹介されている)。この点に関する反証は今週、別稿で行なう予定だが、問題の市政報告にはアンケートはがきがはさみ込まれていた。
 ところが、同アンケートは、市政報告に記されたこども病院人工島移転に関する記述以上に自己中心的な内容。選択肢がなく回答に困るというシロモノだ。都合の良い答えだけを引き出し、自己弁護の材料に使うためとしか思えない陳腐な設問と選択肢には驚くばかり。こんなものに政務調査費を使っているのなら、税金のムダ使いとの批判は免れまい。アンケートの内容について検証してみたい。(実物参照)

yamashita.gif

 アンケートの「問1」は、これからのこども病院の基本的役割について聞いている。同病院の担うべき機能について、市民の声を問うものだ。通常のアンケートなら、現在のこども病院が担っている小児高度3次医療、小児地域2次医療(注・高度3次は小児の心臓手術など高度かつ専門的な手術や診療、2次は専門的な治療を指す)について、単純にそれぞれの必要性を問うことになる。もちろん、高度3次も2次も今まで通り必要と考える市民の方が多いことが想定される。しかし、このアンケートの答えの中には「高度3次も地域2次も必要」という当たり前の項目はない。
 せめて「高度3次の役割も担っていくべき」と答えようとすると、用意されたその選択肢にはなぜか『都心より少し離れても』という文言が加えられている。立地と病院機能をひとくくりにして答える必然性は全くなく、もっとも選択されるはずの答えに人工島を想定した一文を加え、免罪符を得ようとするものなのだ。姑息という他ない。

 立地と病院機能を絡めた、あきれた選択肢はさらに続く。立地について、現在のこども病院がある都心部を指向する人は、どうしても二番目の選択肢の『都心部に立地し』という言葉に引き付けられてしまう。しかし、その後には『小児2次医療だけでも良い』という非現実的な文言が付け加えられている。ここでも一体であるはずのない「都心部」と「2次医療だけで良い」というふたつの答えを無理やりひとつにして、選択できないようにしている。都心部に立地すれば、2次医療だけになるかのような誤解を招く表現でもある。
 そもそも立地を前提とする質問であるなら、「人工島に立地し」としたうえで、「3次も2次も必要」あるいは「2次だけでよい」という選択肢と、「都心部に立地し」としたうえで、「3次も2次も必要」、あるいは「2次だけでよい」、といった立地別の選択肢でなければならない。このアンケートは、病院機能について聞いておきながら無理やり立地の問題をくっつけ、1番目の選択肢しか残らないように仕向けているのである。

 三番目の選択肢に至っては『老朽化後は廃止してもよい』という意味不明の答えなのだからあきれてものが言えない。病院機能と老朽化は何の関係もないだろうし、廃止などという乱暴な答えには何の脈絡もない。結局は人工島移転を認めることになる1番目の選択肢を選ぶように誘導したかっただけなのだ。ここまで下らないアンケートは見たことがない。

つづく

【市政取材班】

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