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選挙情勢調査の問題点 (下)
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2009年8月25日 08:00

 選挙情勢調査には、サンプルの片寄りという問題がある。携帯電話利用者へのアプローチはなされていないし、サンプル数、調査した曜日などによっては、結果に大きく変わってしまう。全体的な傾向については把握できても、小選挙区ごとの優劣についてはメディアごとに違いが生じる。投・開票日、出口調査をやってみたら予想と違った結果が出ることもしばしばだ。そうした問題点を少しでも解消するため、マスコミ各社では集計した生(なま)数字に修正を加える。集まった数字に様々な要素を加味し、実態に近いものを導き出すのである。選挙情勢の記事は、生数字に修正を加えた数字によって書かれるのだ。

 問題は、情勢調査が有権者の投票動向に少なからず影響を与えるということだ。記事で順位付けがなされてしまうので、表現によっては勝負がついたと考える有権者も多い。支持する候補者が勝っていればよいが、負けていると判断した場合には、投票への意欲を失う場合もある。もちろん、その逆に「もっと頑張って勝たせたい」という人もいるだろう。
 候補者陣営が一番恐れるのは、「大きくリード」などと書かれて「これで安心」とばかり、陣営の動きにゆるみが出る場合である。過去には、選挙情勢が報じられてから、大きく結果が変わったケースが少なからず存在する。いったん「たが」がゆるんでしまった陣営は、なかなか元には戻らないからだ。終わってみたら逆転負けというパターンも多い。

 「知る権利」に応えるためのものなのか、あるいは選挙戦を盛り上げているつもりなのかは分からないが、選挙情勢調査に基づく報道のあり方は間違っているのではないだろうか。選挙戦の途中で順位付けをすることに意味があるとは思えないし、メディアごとにバラバラの調査方法で数字をはじき出し、違う結果を見せられた方は戸惑うばかりである。予断を与える報道は正しいものとは言えないだろう。
 
 05年の「郵政選挙」同様、「政権選択」を合言葉に、またしてもワンフレーズ選挙が行われている。本当にこれで良いのだろうか。
 残り5日間、有権者も真剣に政治と向き合わなければならない。選挙情勢調査はあくまでも新聞の「競い合い」でしかない。参考にするにはデータの信頼性が不足しているということも忘れないでほしい。

【総選挙取材班】

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