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特別取材

会社更生計画認定から6年余 混迷続けるハウステンボスの行方(5)
特別取材
2009年8月 4日 08:00

<西九州カジノリゾート構想>

 今後、ハウステンボスはどこに向かうのだろうか。もっとも望ましいのは、このまま支援を受けて再建し、存続することだろう。しかし、野村PFが他社に経営譲渡ということになれば、オーナーが変わることで現場やその周辺に混乱が生じるであろうことは想像に難くない。無策のまま再び倒産、という道もあり得る。ただこれに関しては、ハウステンボス協力会の意向を無視できないため、現時点での可能性は低い。
 ともかく、ハウステンボスが生まれ変わるには、パラダイムの転換が必要なのは間違いない。これまでの外国人頼りの集客方法では限界があるし、世界経済の動向に振り回されるだけだ。しかし、そうした傾向はどうやら別のかたちで進んでいるようだ。
090730_hustenbos_5.jpg  07年8月、長崎県内ならびに西九州の経済団体を中心に西九州統合型リゾート研究会が発足した。西九州エリアにおけるカジノを含む統合型リゾートの可能性およびその効果や影響について研究を行ない、その成果を将来のカジノ合法化に向けた検証と判断の糧にすることが目的だ。
 08年5月には「西九州統合型リゾート構想、地方再生型カジノ導入の意義とビジョン」という報告書を佐世保市が取りまとめた。それによると、ハウステンボス内に約500億円を投じてカジノホテルを建設する。ただし、治安維持という観点から、利用できるのはハウステンボスを訪れた外国人観光客に限られる。それでも、長崎県を訪れる外国人観光客95万人のうちの20%と、ホテル建設効果による2万6,000人を合わせた、年間22万人の利用を見込んでいる。年に100億円がカジノで消費されると試算しており、経済効果は初年度1,000億円、2年目以降は年170億円で、新規雇用7,700人を生み出すと見込んでいる。
 しかし、この案は、ハウステンボス再生に主眼を置いたものでないにせよ、日本人観光客をほぼ完全無視した施策である。また、約500億円もの新たな投資を行なうため、中長期的なビジョンも必要となる。それゆえ、さまざまな課題、とくに国内でのリピーター確保という急務を抱えるハウステンボスおよびその周辺地域にとって、報告書案の実現が再生に直結するとは考えにくい。今回の支援要請のタイミングを見れば、雇用問題も含めた短期的な解決策が求められていると考えるほうが妥当なのではないだろうか。

~つづく~

【大根田康介・烏丸 哲人】

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