宮田道郎理事長 |
西藤氏は講座を開くにあたり、自身の想いを次のように語る。「あいさつひとつにしても、ちょっとした気づかいで相手に喜んでいただければ、自分もきっと幸せになります。そうなれば仕事も楽しくなりますし、良い方向に行くと信じています。こうしなければならない、と考えると苦しいでしょうが、相手が主役だと思って接しているうちに、自分も相手の懐のなかに入っていく。そういうことを伝えたいと思います」
また、同学院の宮田智栄副理事長は、入学してくる学生に対し、日本の文化やあいさつ指導を行なっており、女性の観点からマナー教育の意義についてこう語る。
「今の時代、日本語学校で日本語を教えるだけの時代ではないと思います。日本そのものを理解してもらい、このすばらしい日本の礼儀作法やマナーを学生たちにきちんと教えることで、もっと日本が好きになり、また学生自身の将来にきっと役立つと思います。ですから、それを教える教職員からマナーの基本を身につけてほしいと思っております」
講座は4人1組、計5組の形式で行なわれた。あいさつから徹底した教育をし、言葉使いや仕草など細かい部分までひとつひとつ丁寧に指導していく。そのなかで、なぜマナーが必要か、それを学ぶことでいかに自分も相手も心が豊かになるかということを、教職員一人ひとりに頭と体を使って覚えてもらう。ただ、堅苦しい雰囲気はなく、笑顔を交えながら楽しく指導していった。
「今回は、日々の生活のなかで自分たちが気づかなかった部分を認識してもらい、意識を変えてほしいという気持ちで指導します。ただ、形式だけには走らないでほしいです。マナーとは気持ちを表現するものですから。教職員から生徒へ正しいマナーを伝えていただけると信じております」(西藤氏)。
「留学生の教育を通じて日本とアジアの架け橋になる」という宮田道郎CEO(最高経営責任者)兼理事長の想いで創立された同学院。そのなかで、このマナー教育による社会性豊かな教職員の育成が、きっと教職員と生徒の架け橋になることだろう。
【大根田 康介】
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