先月30日の総選挙で、自民党の山崎拓氏に約50,000票の差をつけて大勝、政権交代の象徴とも見られていた民主党新人・稲富修二氏に重大な疑惑が浮上した。稲富氏個人に渡った政党交付金を原資とする約1,900万円余りの金が使途不明となっているのである。税金のムダ使いをなくすと訴えてきた民主党の主張を根底から揺さぶりかねない問題に、関係者から批判の声が上がっている。
稲富氏は2007年、福岡県知事選挙に民主党推薦で立候補、麻生渡知事に敗れたが、選挙に際して、民主党側から推薦料として4,000万円を受け取っていた。
稲富氏の「選挙運動費用収支報告書」を確認すると、収入総額が40,110,000円であるのに対し、支出は22,611,126円。支出の内から、公費助成がなされたポスター作成費を引くと21,018,406円が実質支出となる。収入と支出の差19,091,594円が余剰金となる勘定だ。
稲富氏の知事選選挙費用の大半は民主党福岡県連からの推薦料4,000万円であり、金の流れをたどると「税金が原資」だったことが分かっている。
選挙に関する収入は非課税で、余剰金の問題はこれまでもしばしば問題にされてきたが、千万単位の余剰金は極めてまれ。データマックスは昨年11月から稲富氏に対し、余剰金の使途について確認を求めてきたが、まともな回答はなかった。
その後の取材で、約1900万円の余剰金は、稲富氏側の政治団体や政党支部への寄付が行われていないことが確認されていた。
この問題についての詳細を明日から連載していく。
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